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北陸文化

【映画】「空族」が射抜くアジアと日本の今 映画「バンコクナイツ」

「バンコクナイツ」から

写真

金沢・シネモンド

富山でも上映とイベント

 アジアと日本の今をえぐり出す映画「バンコクナイツ」が二十四日から、金沢市のシネモンドで上映される。富田克也監督らによる映画製作集団「空族(くぞく)」が甲府市を舞台に地方都市の閉塞(へいそく)感を描いた「サウダーヂ」(二〇一一年)に続いて放つ壮大なスケールの力作。

 タイ・バンコクの日本人向け歓楽街タニヤ通り。田舎の大家族に仕送りする出稼ぎのホステス、ラックと元自衛隊員のオザワが、ラックの故郷のタイ東北部イサーン地方、ラオス国境近くの森林地帯へと向かう。ロードムービーを核にした三時間二分の群像劇だ。

 土木作業員、外国人労働者の日常から日本の現実を見据えた前作。今回は、金と欲望、幻想の楽園イメージの虚実、ポストコロニアル(植民地以後)のまなざしによってアジアから日本を射抜く。見る者は、植民地と戦後の多重的な支配構造がアジアの社会と骨絡みになっている事実をリアルに突きつけられる。

 生々しい手触りは、丹念な調査と移動距離四千キロのオールロケ、現地で人とつながりながら撮影したことで生まれた。歓楽街の女性たちや家族などが出演し、生活感や伝統、地元のポピュラー音楽とともに空気感まで運んでくる。日本とタイの関係、ベトナム戦争の爪痕、貧困と経済格差…。欲望と支配に隅々まで侵食された現実とその中でしなやかに生きる人たちのアジアが引き寄せられる。シネモンドでの上映は七月七日まで。

 富山県射水市の文化施設LETTER内のアトリエ・セーべーでは7月16、17日に「バンコクナイツ」を3回上映し、監督らのトーク、作品で重要な役割を担うタイのイサーン音楽を紹介するイベントも予定されている。

 16日は午前10時15分からと午後4時の2回上映。1回目の上映終了後に、「旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド TRIP TO ISAN」(DU BOOKS)を出版したDJユニット「Soi48」の宇都木景一さん、高木伸介さんによる「タイ音楽講座」がある。

 17日は午後0時30分から上映。終了後に空族の富田克也監督と脚本を共同で担当した相沢虎之助さんの2人がトークイベントを行う。聞き手は小倉利丸富山大名誉教授。

 上映は各回とも定員30人で要予約。参加料3000円。予約、問い合わせはメールsaluuut@icloud.comへ。

 

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