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北陸文化

【映画】巨匠ビスコンティ 初期の3作上映 金沢・シネモンド

「揺れる大地」の1場面

写真

24日から

 イタリア映画の巨匠ルキノ・ビスコンティ監督の初期のモノクロ三作品が二十四日から週替わりで金沢市のシネモンドで上映される。昨年の生誕百十年、没後四十年の記念によるデジタル修復版公開の一環。名門貴族出身だったビスコンティだが、映画監督としては自身と相対する民衆の側に立ったネオリアリズモの監督として出発した。追い詰められた人間の苦悩と家族の崩壊をテーマにした作品群は見応えがある。

 二十四日からの「若者のすべて」(一九六〇年)は、貧しい農村から大都市ミラノに移住した家族の悲劇の物語。主人公のボクサー役を演じた若きアラン・ドロンの美しさに息をのむ。

 七月一日からはシチリアの漁村でオールロケした監督第二作「揺れる大地」(四八年)。出演者をすべて現地の住民から選ぶ徹底したリアリズムで、仲買人に不当に搾取される漁師家族の運命を描きながら、叙事詩的な世界が展開する。

 同月八日からの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(四二年)はネオリアリズモの先駆とされるデビュー作。不倫の男女の愛欲と、その背景として映し出される社会の現実が生々しい。戦時下のイタリアでは上映禁止となり、作品後にビスコンティはレジスタンス活動で逮捕、脱走も経験した。

 三作品に先立つ十七日からは晩年の傑作「家族の肖像」(七四年)も上映。ローマの豪邸で孤独に暮らす老教授の元にある家族がやってくることで、生活がかき乱されていく。バート・ランカスターをはじめスターが競演し、ビスコンティらしい絢爛(けんらん)な世界を堪能できる。

  (松岡等)

 

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