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北陸文化

河瀬直美さんオペラ初演出 「トスカ」金沢など5都市共同制作

河瀬直美さん

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 金沢市や富山県魚津市など全国五都市の劇場やオーケストラが共同制作し、今年十月から十二月に上演するプッチーニのオペラ「トスカ」を、カンヌ国際映画祭のグランプリ監督で、新作「光」が公開中の河瀬直美さんが演出する。欧州では映画監督のオペラ演出は少なくないが日本ではまれ。河瀬さんも初のオペラ演出で話題を呼びそうだ。

 二〇〇九年度に始まったプロジェクトではこれまで、一五年にモーツァルト「フィガロの結婚」を野田秀樹さんがオペラ初演出するなど話題を呼んだ。本年度は一六年に笈田ヨシさんが演出した「蝶々夫人」に続くプッチーニの代表作に河瀬さんが挑む。

 舞台を原作のローマから古代日本の雰囲気を漂わす「牢魔(ろうま)」と名付けた集落に移し、陰謀と壮絶な愛と死を「祝祭の一日に起きた悲劇」として描くという。舞台美術はニューヨーク在住の気鋭の建築家・重松象平が手掛け、河瀬さん自ら制作の映像とコラボレーションする。

 主演のトス香(トスカ)役はプラハ生まれで欧州で活躍するソプラノのルイザ・アルブレヒトバさんが務め、富山県高岡市出身の森雅史さん(バス)も出演する。演奏は十一月八日の金沢歌劇座公演(金沢市)がオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)、同十二日の新川文化ホール(富山県魚津市)は群馬交響楽団。京都市交響楽団常任指揮者の広上淳一さんが指揮する。

 ほかに、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館(十月十五日)、東京芸術劇場(同月二十七、二十九日)、沖縄コンベンションセンター(十二月七日)の四公演がある。

 合唱は各地の合唱団が務め、金沢では公演のための合唱団を編成。各パートで追加募集している。詳細は金沢芸術創造財団(問)076(223)9898 (松岡等)

 河瀬さんのコメント オペラ演出の経験がないわたしにプッチーニのトスカを演出しないかというお話。ああ、オペラはそれほど自由なのかと畏れ入った。「自由」ほど難しいものはないが、演出依頼の理由はこうだ。「主人公はじめ、主要人物がみんな死んでしまう救いようのない悲劇」、そんな異名をもつ本作品に「希望」を与えられる作家だと思うから。大役を仰せつかった。けれど、物怖(ものおじ)してはいられない。初挑戦に心はたかぶる。そんなこんなでお引き受けしたオペラ演出のお仕事。お仕事とは思えない感情。創作というものの原点に立ち戻るような感覚の中で初めての事柄に右往左往しながら、それでもかの「希望」に向かって突き進むのである。

 

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