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北陸文化

【コミュニティシネマ 街中銀幕から】 ジャズと映画

 二十二日から伝説のトランペッターであるチェット・ベイカーをイーサン・ホークが演じる『ブルーに生まれついて』、二十九日からは、ベースに革命を起こしたジャコ・パストリアスの生涯を描いた『JACO』を上映する。

 チェット・ベイカーはクールなトランペットに甘いマスクとソフトな歌声で、一九五〇年代にはマイルス・デイビスをしのぐほどの人気を得て多くのファンを魅了したが、麻薬で身を滅ぼし過酷な日々を送っていた。『ブルーに生まれついて』は、転落と苦悩から、ある一人の女性との出会いによって再生していく姿を描いたラブストーリーだ。

 『JACO』は、七〇年代に彗星(すいせい)のように現れ、リズム楽器だと思われていたエレクトリックベースの可能性を広げ、音楽のジャンルの枠を超えて世界中を感嘆させたベーシストであるジャコ・パストリアスの三十五年という短い生涯を、彼の身近にいた人たちや、彼を尊敬するアーティストらのインタビューと、生前の映像から描いたドキュメンタリーだ。

 映画とジャズは仲が良い。そもそもジャズには映画となじみ深い曲が多く、ミュージカル映画『オズの魔法使い』の劇中曲である「オーバー・ザ・レインボー(虹の彼方(かなた)に)」や、『サウンド・オブ・ミュージック』の「マイ・フェイバリット・シングス(私のお気に入り)」、ディズニーのアニメーション映画『白雪姫』の「サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム(いつか王子様が)」など、多くのミュージシャンによって演奏され、スタンダードナンバーとなっている。

 映画からジャズの音楽に、という流れのほかにも、ルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』では、映画の画面に合わせて即興でマイルス・デイビスが音楽をつけていた。

 今年のアカデミー賞で話題となった『ラ・ラ・ランド』では、成功を夢見る女優と古き良き時代のジャズに憧れを抱く男が主人公のミュージカルで、映画とジャズの蜜月を振り返るかのように、作品の中にジャズとタップダンスがちりばめられていたことが記憶に新しい。映画もジャズも十九世紀末から二十世紀初頭に生まれ、同時期に成長してきたのだ。 (シネモンド支配人・上野克)

 お断り 4月29日の北陸文化面は休みます。

 

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