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北陸文化

【コミュニティシネマ 街中銀幕から】 新しい世代のノスタルジー

 先日、金沢21世紀美術館で、学生たちとフィルム全盛期に映画に親しんだ世代が交流しながら企画運営している映画の上映会「まるびぃシネマパラダイス」のミーティングに参加してきた。

 金沢美術工芸大と金沢大の学生が中心となって、フィルムで映画の上映を行い、トークイベントも行うイベントだ。デジタル上映が一般的となった昨今だが、優秀映画観賞普及事業と連携してフィルムでの上映にこだわり、当日は映写機の操作も学生が行う。テーマと上映作品、ゲストの選定から学生が行い、今年で四年目となる。昨年は原田知世、松田聖子、山口百恵など八〇年代アイドルの映画を上映し、『ぼくらの七日間戦争』の菅原比呂志(浩志)監督に映画制作の舞台裏について伺った。

 今回は、テーマと上映作品について話し合いがあった。その中で学生たちから映画のデジタル上映とフィルム上映の比較についての話題がでた。

 二〇〇五年にハリウッドでデジタルシネマの標準化が契機となり、映画のデジタル化が実現したのだが、映画のデジタル化とは、映画が制作され、映画館に配給され、劇場で上映されるまでの過程を全てデジタルデータで行うことを指す。

 デジタル化にはさまざまなメリットがある。フィルムは物なので劣化して色が変化したり、傷やほこりなどで上映状態が悪くなっていくが、デジタルデータでは完全な複製が作れるので劣化することはない。

 デジタル上映にしか触れたことがない世代には、ノスタルジックな表現としてよく使われる色あせて傷が入ったフィルムの画面の意味を理解していない人もいるだろう。

 今ならブラウン管の画面やビデオテープもノスタルジックな表現として使用されているが、今の小学生にはピンとこないのかもしれない。それらは過去の記号としての表現になりつつある。

 この週末には毎年恒例となった「こども映画教室」で、小学生たちが映画を制作する現場に立ち会ってくる。ビデオカメラや編集に使用するパソコンが手軽に扱えることになったのもデジタル化の恩恵の一つだ。手軽に扱えるようになったからこそ、表現の仕方や発想が大切になってくる。

 時間も場所も飛び越えたこどもたちの自由な発想で、カメラと編集を使ってどんな表現で彼らの映画を生み出すのか今年も楽しみだ。(シネモンド支配人=上野克)

 

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