トップ > 北陸中日新聞から > 北陸文化 > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

北陸文化

【能楽おもしろ鑑賞法】4 能「鵺」 シテの一人三役もすんなり

能「鵺」の前シテ。妖怪・鵺の亡霊の姿だが、舞台では頼政とその家来も演ずる=2013年7月7日、石川県立能楽堂で(金沢能楽会提供)

写真

 演劇では通常、役者は一人の人間を演ずるが、能ではシテが敵味方三人を演ずる場合もある。そんな能「鵺(ぬえ)」が来月、金沢能楽会の別会能で上演される。

 その粗筋。旅の僧(ワキ)が芦屋で川渡しのお堂を宿にしていると、不気味な男(前シテ)がうつほ舟(丸木舟)で現れ、自分は源頼政に討たれた妖怪・鵺の亡心(亡霊)だと告げる。僧の求めで討たれた様を再現した霊は、恐ろしい鳴き声を残して消える。

 僧が供養していると、鵺(後シテ)が顔は猿、尾は蛇、手足は虎という姿(扮装(ふんそう)に写実性はない)で現れ、頼政が褒美を受けた場面などを見せ、自分はうつほ舟に押し入れられ「暗きより暗き道に」流されたと述懐して終わる。

 つまりシテは、妖怪の面を着けたまま前半で、頼政が矢を射る様子やその家来が鵺を九回も刀で刺す様を演じる。後半も頼政役となって褒美の名刀を拝領し、宇治の大臣頼長と喜びの歌を交わす。しかし、あまり違和感を感じないと思う。

 それは、亡霊となった鵺が、事件の流れを上空から見ているように思えるからか。矢を射る場面も弓を引く型ではない。巧みな動きで矢がこっちへ飛んで来るように見せる。怖い。

 今回は白頭という小書(特殊演出)に。後シテの頭髪が通常の赤から白になり、型もいろいろ変わる。他の能二番、狂言一番も名手が大曲を演ずる。能独特の表現をどう楽しむか。臨場感は3D映画並み。後はあなた次第である。 (笛)

◇別会能番組(4月2日午後1時、石川県立能楽堂)

▽能「鷺」(シテ藪俊彦)▽狂言「水汲」(シテ野村万蔵)▽能「熊野(ゆや)膝行三段之舞」(シテ宝生和英)▽能「鵺 白頭」(シテ広島克栄)

▽入場料=一般自由席1万円(当日1万500円)当日若者割4000円(30歳未満)

(問)同能楽堂=電076(264)2598

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索