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北陸文化

【邦楽】26日、邦楽ルネサンス 邦楽に新風 続く挑戦

「神の子勧進帳」を稽古する森山開次さんら=金沢市の石川県立音楽堂で

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 石川県立音楽堂(金沢市)の公演「邦楽ルネサンス」が26日午後2時から同邦楽ホールである。石川ゆかりの作品を取り上げてきた日本を代表するコンテンポラリーダンサー森山開次さんが委嘱5回目でいよいよ能や歌舞伎の定番「勧進帳」の世界に挑戦する。地元の日本舞踊家・花柳寿菜さん(中日名扇会常任理事)による新作「久珠神拾三番叟(くずかみひろいさんばそう)」、邦楽家・藤舎呂英さんらの「桜花神韻」の演奏も楽しみだ。 (松岡等)

勧進帳の世界 今こそ 森山開次さん

 二〇一一年に能「歌占」をモチーフにした「UTAURA」を上演して以来、石川県にゆかりのある古典芸能をダンスで表現してきた森山さんがいよいよ能「安宅」、歌舞伎「勧進帳」の世界に挑む。

 森山さんは「あまりに有名な男たちの物語。自分の器量が足りないという思いもあってタイミングを計ってきたが、いよいよという感じ。能と歌舞伎にインスパイアされて僕なりのアプローチで挑戦してみた」と語る。

 富樫役を含め石川県内のバレエ教室で学ぶ小学四年から中学一年までの五人が出演する。能で義経を子方が演じることを受け、「子供が演じたほうがより神格化された義経に近いという話をうかがい、そこをふくらませてみたらどうか」と、四人の子供たちが妖精のように義経を踊る。「弁慶がその人生の中で義経という宝に出会う」という演出は斬新だ。

 「ダンスで抽象化させながらも一つ一つの物語を追っていくべきだと考えた」と、語りも取り入れ、物語が十分に楽しめる構成。弁慶が苦悩し、危機を乗り越えた後の森山さんのダンスは圧巻だ。能の舞いや歌舞伎のたたらを踏むポーズも取り入れ、子どもたちとともにダイナミックに演じる。

 作曲・音楽監修は今回も笠松泰洋さん。西洋音楽と邦楽を融合、ドラマチックな舞台を盛り上げる。三味線・蓑田弘大さん、笛・太田豊さん、鳴物・藤舎夏美さん、長尾基史さん、OEKのビオラ奏者ダニイル・グリシンさん、チェロのルドビート・カンタさんが演奏を務める。

新作「久珠神拾三番叟」を踊る花柳寿菜さん=金沢市内で

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伝統の中の斬新発見 花柳寿菜さん

 三番叟は能、歌舞伎、日本舞踊から郷土芸能楽までさまざまなジャンルに広がり、多くのバリエーションを持つ演目。「久珠神拾三番叟」は群馬県桐生市で伝わる「宮比神楽」の三番叟から着想を得て新たに作られた曲に花柳寿菜さんが新たに振りを付けて演じる。

 早春の行事「若菜摘み」をしている乙女が、空から次々に降ってくるかぶり物をつけて大黒様となり、聞こえてくる三番叟を踊るという「幾重にもめでたさが重なる出し物」だ。

 「新作とはいえ伝統にのっとって振りをつけたい」という思いで作っていったが、「実は伝統的と思っていたものにも斬新さがあり、計算されて作られていたことに気付いた」。それだけに今回、自らの発想力が試される大きな挑戦。「歌詞や曲に背中を押されながら作ったイメージにどれだけ近づけるか」

 「委嘱を受けて新作を踊るという滅多にないチャンスをいただいた。一回限りのことかもしれないが、自分一人ではできないことでもあり、大切に一生懸命やりたい。どれだけ新しいことができるか。印象に残る振りを付けたい」と意気込みを語る。

公演情報

全席自由▽一般3000円▽ペア券5000円▽学生1500円▽石川県音楽文化振興事業団主催、北陸中日新聞共催。(問)076(232)8632

 

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