トップ > 北陸中日新聞から > 北陸文化 > 記事一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

北陸文化

【美術】「見る」「見られる」関係性問う 武田雄介さん個展

「見る」「見られる」ことの関係性を問う作品を展示する武田雄介さん

写真

金沢21世紀美術館 「アペルト」に登場

 金沢市在住のアーティスト武田雄介さんの個展が金沢21世紀美術館で開かれている。さまざまなメディアを使ったインスタレーション作品群が並ぶ会場は、「見る」「見られる」の関係を問い、イメージの持つ特性を顕在化させる実験場のようだ。

 作品群はいずれも、昨年10月から約3カ月半にわたり同美術館のプロジェクト工房に拠点を置いて制作した。

 武田さんは1985年広島県生まれ。金沢美術工芸大で油絵を専攻し、14年に同大博士課程修了。油絵を描く一方で、写真や映像、音を素材にさまざまなメディアを組み合わせたインスタレーション作品を発表してきた。

 九つの違った目の油彩画が壁に並ぶ作品「目」や、会場内を撮影する監視カメラの映像を鑑賞者自身が見ることになる作品「Monitoring」などは、見る側と見られる側は常に入れ替わる関係にあるという、現代社会に行き渡った監視社会の現実をいやがおうにも意識させる。

 ミヒャエル・ハネケ監督の映画「セブンス・コンチネント」を見て、「生活の中にピラニアをインストールする」という発想から飼育し始めたという映像を使った2点の作品は対照的。一方は水の入った水槽を通して投影し、泳ぐピラニアの影だけが会場の壁に映し出される。もう一方は会場の窓に張ったスクリーンに映し出され、泳ぐピラニアの映像は会場の外からは見ることができる。

 このほかインターネットから取り出した歴史的出来事やニュースの映像をドローイングで描き直して壁に張って並べた作品や、幾層にも重ねた写真を張っては破るを繰り返すことで「イメージの向こう側にイメージがある」ことを表現しようとした作品など、イメージの不可視性をも問おうとしているかのようだ。

 展示は、若手作家を紹介する同美術館の「アペルト」シリーズの6回目。初めて同市在住の作家を取り上げた。 (松岡等)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索