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北陸文化

【映画】ある朝電気が無くなっていたら… 新作「サバイバルファミリー」矢口史靖監督

「サバイバルファミリー」の矢口史靖監督=金沢市の中日新聞北陸本社で

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 朝、目覚めると世界から電気が一切消えてしまう世界になっていた。さて、あなたはどう行動し、どう家族を守るか−。矢口史靖監督(49)の新作「サバイバルファミリー」は、生き抜くためのサバイバルを通して家族がつながりを取り戻していくエンターテインメントだ。

 東京での生活が麻痺(まひ)する中、生き残るために四人家族の一家は、なんとか調達した自転車で西へと向かう。水と食べものは高騰。既成の価値観は通用せず、文明に慣れきった家族には次々に苦難が待ち受ける。そんな荒唐無稽とも言える設定にリアリティーを与えているのは、オールロケで文字通り体当たりだった俳優陣の熱演と、それを手持ちカメラで追うドキュメンタリータッチの演出だ。

 口先ばかりで役に立たない典型的な小市民の父親役を小日向文世さん、主婦ならではの知恵を出す母親役の深津絵里さんが奮闘、兄の無口な大学生を泉沢祐希さん、電池の切れた携帯をなかなか手放せない女子高生を葵わかなさんも好演した。川を手づくりのいかだで渡るシーンも、家畜のブタを追い掛け、泥にまみれるシーンも四人が演じる。

 「憎まれ役に徹した」と矢口監督。一方で「体力的にはたいへんだったかもしれないが、ないものをあるつもりで演じることはなかったわけだし」とも。

 「あくまで家族の物語」という矢口監督だが、東日本大震災や熊本地震などを経て、「サバイバル」は日本人には切実なテーマ。原発の是非を論ずる際に反原発の主張に対する反論として耳にする「電気が無くなったらどうやって生活するのか」という問いを思い起こす人もいるだろう。

 「原発の問題はジャーナリズムに任せたい。僕の作りたかったのは家族をテーマにしたエンターテインメント」。しかし自身はどう考えているのかは気になる。しつこいようだが、ストレートに聞いてみた。原発は賛成ですか、反対ですか−。「それは言わぬが花。作品を材料に見た人が考えてくれればいい」

  (松岡等)

 ※2月11日、全国一斉公開

 

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