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北陸文化

【コミュニティシネマ 街中銀幕から】 キアロスタミ監督 

 昨年亡くなったアッバス・キアロスタミ監督を追悼し、特集上映を二月十八日から開催する。キアロスタミ監督は、シネモンドにとっても特別な監督だ。

 シネモンドの土肥悦子代表は映画配給会社で映画の買い付けと宣伝を担当していた一九九二年に、アッバス・キアロスタミ監督の『そして人生はつづく』と出会った。土肥はその才能に興奮し、キアロスタミ監督の作品を日本での上映を企画、九三年には『友だちのうちはどこ?』『そして人生はつづく』を同時公開し、日本で初めてイラン映画が劇場公開された。

 その際のキアロスタミ監督が来日した時には土肥は付き添いをし、キアロスタミ監督の「そして映画はつづく」という本では翻訳を担当する。

 その後退職し、土肥が金沢へとやってきたころ、金沢にはミニシアターがなく、映画館で上映される作品はハリウッド作品や邦画がほとんどで、金沢で世界各国の映画を見る機会は少なかった。そこで土肥はシネモンドの前身となる自主上映を始める。『桜桃の味』がカンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した九七年、金沢でもキアロスタミ監督の特集上映を開催、キアロスタミ監督が金沢へとやってきた。特集上映は大入り満員となり、翌年にその会場がシネモンドとなった。

 あれから二十年。キアロスタミ監督の作品が再び金沢のスクリーンで上映される。少年の日々を描いた傑作『友だちのうちはどこ?』、イラン地震後に『友だちのうちはどこ?』の出演者を尋ねる『そして人生はつづく』、そしてジグザグ道三部作の『オリーブの林をぬけて』、デビュー作の短編『パンと裏通り』から、日本で撮影され遺作となった『ライク・サムワン・イン・ラブ』まで、現実とフィクションが交差し、詩情にあふれた素晴らしい作品たちの中から現在上映可能な作品は全て上映したいと思っている。

 現在、キアロスタミ監督の作品はDVDや動画配信などのサービスでも見る機会がとても少ない。今回の上映はとても貴重な機会となる。

 シネモンドとは、フランス語で世界の映画、という意味だ。そして映画の世界という意味でもある。シネモンドの開館のきっかけでもあるキアロスタミ監督作品に、初めての方も再びの方もぜひ触れてみてほしい。特集上映の初日には、土肥のトークも開催する。

 (上野克=シネモンド支配人)

 

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