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北陸文化

【映画】新作「僕らのごはんは明日で待ってる」 市井昌秀監督(射水市出身)

「心の痛みみたいなものを描きたかった」と話す市井昌秀監督=富山市の中日新聞富山支局で

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 富山県射水市出身の市井昌秀監督(40)の新作「僕らのごはんは明日で待ってる」が全国公開される。無口でネガティブな男子と、正反対の明るいポジティブ女子の恋と痛みを軽やかに描いたラブストーリー。「人が殻を破り、一線を越える時の言葉にできないエモーショナルな描写が映画の醍醐味(だいごみ)」という市井監督ならではの演出が見どころだ。

 高校生で出会った亮太(中島裕翔さん)と小春(新木優子さん)。無口で臆病な亮太を小春が引っ張る恋は進学後も続き幸せが花開くかと思った時、突然に小春は別れを切り出す。そこには小春が亮太に言えない秘密を抱えていた−。

 恋する若い男女が障がいや壁を乗り越えようとするストーリーは、前作「箱入り息子の恋」と共通のテーマ。原作となった瀬尾まいこさんの同名小説に「若い二人の男女の心の痛みを軽やかに描いていて、世界観が自分に合っているな」と共感した。

 中島さんは「アイドルとしてキラキラと輝いていながらどこか陰や闇を抱えているところがある」と、新木さんは「素晴らしい笑顔が役にぴったりだった」と起用。演出では「二人には、それぞれに既に役の要素を持っているから、着ぐるみに入って演じるのではなく、自分の中から必要なものを抽出してくれればいいと話した」という。

 生死の絡むドラマチックな展開にも、どこかにユーモアが盛り込まれている。「深刻な事態を重苦しいままに描くことに違和感がある。そうした時にも人にはうれしかったり楽しかったりする瞬間はあると思う」と。片桐はいりさんのキャラクターがそのことを体現する。作品のテーマ通り、「明日おいしいご飯を食べることのために生きるという思いがあってもいい」とも。

 亮太が二階の窓辺にいる小春を見上げたり、感情の爆発とともに主人公が激走したりするシーンは市井監督の映画ではおなじみ。加えて、こまやかな手の動きや双眼鏡を使った演出の複線が映画に厚みを与えている。

 二〇〇八年に長編二作目の「無防備」がぴあフィルムフェスティバル、釜山国際映画祭コンペティション部門でそれぞれグランプリを獲得。「箱入り息子の恋」では日本映画監督協会新人賞を受賞、主演の星野源さんを日本アカデミー賞新人俳優賞に導いた市井監督。次回作「ハルチカ」も高校の吹奏楽部を舞台にした青春ドラマ。これからは「三、四十代や家族の話も撮ってみたい」と話す。

 ※1月7日から富山市のTOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡で。2月18日から石川県野々市市のイオンシネマ御経塚、かほく市のシネマサンシャインかほくで。

 

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