トップ > 北陸中日新聞から > 北陸文化 > 記事一覧 > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

北陸文化

【創造連動】 美術館のような街 街のような美術館

「美術館を使うことで教えられたことは多い」と語る建築家の妹島和世さん=金沢21世紀美術館シアター21で

写真

金沢21美 妹島和世さん講演

 金沢21世紀美術館の設計者の一人で世界的に活躍する建築家の妹島和世さんが、美術館の敷地内で新たに設計した「球体のパビリオン『まる』」の完成を記念し講演した。21美の完成から12年の使われ方を振り返り、「『街のような美術館』ということでつくったが、使われ方で創造的に発展するんだということを学んだ」と話した。

 妹島さんは1956年茨城県生まれ。95年に西沢立衛さんとともに建築ユニット「SANAA」を設立し、2004年に21美を設計。10年にベネチアビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターを務めた。SANAAとして建築のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を受賞。フランス・ランスのルーブル美術館別館の設計など国際的に活躍する。近年は瀬戸内海に浮かぶ犬島(岡山県)でのアートプロジェクトにも携わっている。

 妹島さんは21美で2007年に美術館の外周のガラス面が覆われた日比野克彦さんによる「アサガオプロジェクト」などの活動を紹介。「建築というのはある条件があって、こうやって使えたらいいなということで設計するものだが、この美術館では使う人によって創造的に発展することができる、それによって発見があるということが驚きだった」と語る。

 また、「美術館のような街」というコンセプトだったのが、金沢市内のギャラリーで美術館と関連した展示などが連携して行われることで「美術館の中のギャラリーの一つが街の中に飛んできた」と考えることもできると指摘。「美術館が街に拡大、発展していったということを教えられたし、発見だった」と。

 最盛期に人口5千人いたのが現在は50人を下回っているという過疎の犬島のアートプロジェクトを紹介し、「人の住んでいない空き家2軒をギャラリーにする際、集落全体として考えれば、歩きながら集落の昔ながらの風景や生活の様子を楽しめるようになったらいいなと考えた。それは、金沢と共通していると最近になって分かった」と語る。「美術館が街で、街が美術館である」という発想と経験が、その後の活動に生かされていることを強調した。 (松岡等)

 

この記事を印刷する

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索