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北陸文化

【能を楽しむ】能「絵馬」 天照大神が男姿で登場!?

能「車僧」の後半。牛のない牛車に乗った車僧(右)の前に、大天狗姿の太郎坊が現れる=2009年2月1日、石川県立能楽堂で

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 金沢能楽会のことし最後の定例能は、ファンタジックな能二番が上演される。

 最初は「絵馬」。伊勢神宮へ天皇からの供物を届けにきた大臣(ワキ)。この夜行われる絵馬の奉納を見ることになった。

 前半はこの奉納の話。老夫婦(前シテ、ツレ)が雨の恵みと日の恵みのどちらの絵馬を掛けるか論じあい、結局「万民楽しむ世となさん」と両方奉納するほのぼのさ。「かける」尽くしの謡もなごむ。

 後半は男神、女神(後ツレ)と天照大神(あまてるおおんがみ)(後シテ)が現れ、天の岩戸の物語を再現してみせる。天照が男となっている不思議。名乗らないが女神は天鈿女(あめのうずめ)、男神は手力雄(たぢからお)らしい。神楽を舞い「のどけき春こそ久しけれ」で謡い収めるめでたさ。

 能「車僧(くるまぞう)」は、屋根が破れて中が丸見えの牛車に乗った高僧(ワキ)をめぐる物語。超能力で、牛がなくても自在に走り回る。

 これを魔道に引き込もうとする悪役の太郎坊がシテ。前半は山伏姿で現れ禅問答を繰り広げる。場所は雪の嵯峨野。山伏「お僧のすみかは」車僧「一所不住」山伏「車はいかに」車僧「火宅の出車(しゅっしゃ)」…。かなわないと思った太郎坊は「愛宕山の庵室(あんじつ)に来い」と言い捨て黒雲に乗って飛び去る。

 愛宕山は大雪。太郎坊は大天狗(だいてんぐ)の姿だ。ここでも禅問答。天狗がいくら打っても動かない車。車僧が払子(ほっす)を振ると雪山を飛ぶように駆けた。「あら貴(たっと)や恐ろしや」と天狗が降参して幕となる。舞台の車は動かない。SFみたいな展開を想像力で満喫すべし。 (笛)

◇十二月定例能番組(4日後1、石川県立能楽堂)

▽能「絵馬」(シテ広島克栄、ワキ苗加登久治)

▽狂言「素袍落(すおうおとし)」(シテ能村祐丞)

▽仕舞「巻絹クセ」(シテ渡辺荀之助)

▽能「車僧」(シテ佐野弘宜、ワキ平木豊男)

入場料=一般2500円(当日3000円)学生1000円、中学生以下無料

(問)同能楽堂=電076(264)2598

 

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