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北陸文化

【能を楽しむ】能「山姥」 曲舞スターに恨みごと

わが子(右)と対面する敦盛の幽霊。「生田敦盛」は子方も活躍する=2007年9月9日、石川県立能楽堂で

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 「あの人に会いたい」−こんな思いのこもった能二番が、金沢能楽会の十一月定例能で上演される。

 能「生田敦盛」。法然上人の従者(ワキ)と、赤ん坊の時上人に拾われた少年(子方)が登場する。年齢は十余歳。平家の公達敦盛の遺児だと知らされ「夢になりとも父の姿を見せてたまわり候(そう)らえ」と賀茂明神に祈る。

 夢の告げで生田の森へ。草の庵(いおり)で敦盛の幽霊と出会い「身にも覚えず走り寄る」哀れさ。

 敦盛は、花鳥風月に戯れた平家の栄華や範頼・義経の猛攻を受けた戦の様を語り、華麗に舞う。だが、閻魔(えんま)の怒りから修羅道の苦しみを見せることに。弔いを頼んで消える父。後半は何も語らない少年の思いは…。

 能「山姥(やまうば)」は人気曲だが、内容は難解だ。最初に、山姥の曲舞(くせまい)でスターになった都の遊女(ツレ)とその従者たち(ワキ、ワキヅレ)が登場。願い事があるのか善光寺へ向かっており、敢えて難所のコースを選んで上路(あげろ)の山中にたどり着く。

 そこへ現れた本物の山姥(シテ)。「あなたの成功は私のおかげ。どうして私の事を心にかけないのか」と恨みごとを言い、自分の前で曲舞を謡って私の妄執を晴らせと訴える。

 鬼女の姿で再登場する後半に「善悪不二」「邪正一如」など仏教の悟りを語る山姥だが、遊女へのわだかまりが妄執になっている不思議な設定。彼女に会うため山道を夜にして宿に誘ったのだ。おびえながら謡う遊女。シテがどんな山姥を描くか興味津々である。(笛)

    ◇

◇十一月定例能番組(6日後1、石川県立能楽堂)

▽能「生田敦盛」(シテ藪克徳、子方松田脩)

▽連吟「半蔀」(岩井嘉樹ほか)

▽狂言「入間川」(シテ山田譲二)

▽能「山姥」(シテ高橋右任、ツレ高橋憲正)

入場料=一般2500円(当日3000円)学生1000円、中学生以下無料

(問)同能楽堂=電076(264)2598

 

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