特別展 挑む 浮世絵 国芳から芳年へ 特別展 挑む 浮世絵 国芳から芳年へ

章構成

第1章

ヒーローに挑む

歌川国芳の出世作であり、その後も得意としたのが歴史上や物語に登場するヒーローの勇ましい姿を描いた「武者絵」です。
そのDNAは弟子たちに確実に引き継がれていきました。
国芳や弟子が逸話やヒーローたちをどのように表現したのかをみていきます。

歌川国芳「通俗水滸伝豪傑百八人之一人 花和尚魯知深初名魯達」
歌川国芳「通俗水滸伝豪傑百八人之一人 花和尚魯知深初名魯達」名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)
歌川国芳「弁慶が勇力戯に三井寺の梵鐘を叡山へ引揚る図」
歌川国芳「弁慶が勇力戯に三井寺の梵鐘を叡山へ引揚る図」名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)
歌川国芳「吉野山合戦」
歌川国芳「吉野山合戦」
名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)

第2章

怪奇に挑む

ヒーローの勇ましさを強調するためには、彼らが対峙する怪奇をいかに恐ろしく表すかということが重要です。
また状況が異常であればあるほど画中のドラマ性は高まります。国芳は血がほとばしる残虐な場面を描いた作品を描いていますが、時代の要請だったのでしょう、弟子もまたその路線を受け継ぎました。本章ではそうした怪奇を描いた作品や「血みどろ絵」と呼ばれる作品を紹介します。特に落合芳幾と月岡芳年が手がけた「英名二十八衆句」は全点を一挙公開します。
体調を整えた上でご覧いただくことをおすすめします。

歌川国芳「相馬の古内裏」
歌川国芳「相馬の古内裏」名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)
落合芳幾「英名二十八衆句 げいしや美代吉」
落合芳幾「英名二十八衆句 げいしや美代吉」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)
月岡芳年「英名二十八衆句 福岡貢」
月岡芳年「英名二十八衆句 福岡貢」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

第3章

人物に挑む

国芳が描く美人像は、現実味にあふれ、はつらつとした明るさを放っています。一方で芳年の描く美人は妖艶な雰囲気をたたえています。そうした女性たちは、国芳一門では、「しぐさ」や「気持ち」をまとって表現されます。ここでは、美人画を中心に役者絵も含めたそれぞれの人物表現をみていきます。

歌川国芳「山海愛度図会 五十七 はやく酔をさましたい 豊前小倉縞」
歌川国芳「山海愛度図会 五十七 はやく酔をさましたい 豊前小倉縞」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)
月岡芳年「風俗参十二相 かゆさう 嘉永年間かこゐものの風ぞく」
月岡芳年「風俗参十二相 かゆさう 嘉永年間かこゐものの風ぞく」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

第4章

話題に挑む

国芳の戯画(滑稽な絵)はバリエーションの豊富さと、そしてアイデアの奇抜さにおいて他の追随を許しません。第1章の武者絵と並んで彼が浮世絵界に残した新機軸といっていいでしょう。
さらに一見、ユーモラスに見える国芳の戯画のなかには、幕政を風刺しているとしてさまざまな憶測が飛び交い大評判をとったものもあります。ここでは当時、話題となった見世物に取材したものや、世相をネタにした戯画など、ニュースソースとしての作品を紹介します。国芳が時代をどう捉え、いかに商品としたのか、その挑戦を見ていただきます。

歌川国芳「里すゞめねぐらの仮宿」
歌川国芳「里すゞめねぐらの仮宿」名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)
歌川芳盛「浅茅ケ原一ツ家之古図 師匠之筆意ニ習らつて」
歌川芳盛「浅茅ケ原一ツ家之古図 師匠之筆意ニ習らつて」
名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)

終章

芳ファミリー

新機軸を次々と産みだし、晩年にいたってもなお浮世絵界を活性化させた国芳は親分肌だったと言われ、芳年の他にも画号に「芳」のつくたくさんの弟子がいました。「錦絵新聞」で印象深い芳幾、武者絵で秀作を残す芳艶のほか、芳虎、芳盛、芳員、芳藤などが出て明治の浮世絵を彩ります。ここ終章では、弟子による明治浮世絵の展開に目を向け、浮世絵最後の光芒を確認してみます。

落合芳幾「東京日々新聞 七百四十八号」
落合芳幾「東京日々新聞 七百四十八号」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)
歌川国芳「浮世よしづ久志」
歌川国芳「浮世よしづ久志」名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)
月岡芳年「東名所墨田川梅若之古事」
月岡芳年「東名所墨田川梅若之古事」
名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

コレクション紹介

「好き」をつらぬく

あなたの「好き」は何ですか?本展の核となるコレクションを形成した高木繁氏と尾崎久弥氏は、いずれも大正から収集をはじめ、まだ評価が低かった国芳らの魅力を普及するよう力を尽くしています。 他の評価に左右されることなく自分の「好き」をつらぬいた両氏の収集熱をご紹介します。

高木 繁

高木 繁

明治14年~昭和21年(1881-1946)
東京都出身。京都帝国大学福岡医科大学(現在の九州大学医学部)泌尿器科初代教授。大正10年(1921)頃から浮世絵を収集をはじめる。とりわけ国芳の武者絵と戯画を愛す。平成12年(2000)、コレクション231件534点が名古屋市博物館へ寄贈された。

尾崎 久弥

尾崎 久弥

明治23年~昭和47年(1890-1972)
名古屋市出身。青年期より、楓水の号で短歌、小説の創作を行う。国語教師として勤務してからも教鞭をとるかたわら、江戸文学の研究に邁進する。資料の収集は大正3年(1914)頃からはじめたという。とりわけ溪斎英泉らの美人画と江戸文学を愛す。 没後、名古屋市蓬左文庫へ寄贈されたコレクションのうち、浮世絵作品1,937件2,836点が昭和60年(1985)に名古屋市博物館へ移管された。

ページのトップへ