クロード・モネ≪睡蓮≫(部分)1906年、油彩・カンヴァス、吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)

見どころ

見どころ

1.日本初公開作品も!モネの絵画の魅力をさまざまな切り口から再発見。

日本初公開の知られざる作品を含むモネの絵画26点を展示。
その作品の特質を「マチエール」「光」「身体性」などのキーワードから捉えなおし、時代を超えて愛されるモネの芸術の魅力に迫ります。
※展示替あり

2.ロスコ、フランシス、リキテンスタイン・・・20世紀アートとモネを一緒に楽しめる!

アメリカ抽象表現主義の代表的画家マーク・ロスコやサム・フランシスをはじめ、1950年代以降の絵画を展示し、「モダンアートの先駆者」と称されるモネの芸術の革新性を浮き彫りにします。

3.そして今日。多様な現代アートに、モネとの共鳴を見出す。

絵画のみならず、版画・写真・映像など幅広い分野の現代アートも多数展示。モネの芸術と今日のアートとの間に、時代・地域・ジャンルを超えたつながりを見出します。

クロード・モネ《睡蓮》1906年、油彩・キャンヴァス、吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)

クロード・モネ《睡蓮》1906年、油彩・キャンヴァス、吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)

福田美蘭《モネの睡蓮》2002年、アクリル・パネルに貼ったキャンヴァス・額縁(既製品)、大原美術館

福田美蘭《モネの睡蓮》2002年、アクリル・パネルに貼ったキャンヴァス・額縁(既製品)、大原美術館

クロード・モネ《ジヴェルニーの積みわら、夕日》1888-89年、油彩・キャンヴァス、埼玉県立近代美術館

クロード・モネ《ジヴェルニーの積みわら、夕日》1888-89年、油彩・キャンヴァス、埼玉県立近代美術館

モーリス・ルイス《ワイン》アクリル・キャンヴァス、1958年、広島市現代美術館

モーリス・ルイス《ワイン》アクリル・キャンヴァス、1958年、広島市現代美術館

出品作家/モネ略年表

出品作家
クロード・モネ(1840-1926)
アルフレッド・スティーグリッツ(1864-1946)
エドワード・スタイケン(1879-1973)
マーク・ロスコ(1903-1970)
ウィレム・デ・クーニング(1904-1997)
モーリス・ルイス(1912-1962)
サム・フランシス(1923-1994)
ロイ・リキテンスタイン(1923-1997)
ジャン=ポール・リオペル(1923-2002)
ジョアン・ミッチェル(1925-1992)
アンディ・ウォーホル(1928-1987)
ゲルハルト・リヒター(1932年生まれ)
ルイ・カーヌ(1943年生まれ)
堂本尚郎(1928-2013)
中西夏之(1935-2016)
松本陽子(1936年生まれ)
平松礼二(1941年生まれ)
根岸芳郎(1951年生まれ)
岡ア乾二郎(1955年生まれ)
児玉靖枝(1961年生まれ)
鈴木理策(1963年生まれ)
福田美蘭(1963年生まれ)
丸山直文(1964年生まれ)
湯浅克俊(1978年生まれ)
小野耕石(1979年生まれ)
児玉麻緒(1982年生まれ)
水野勝規(1982年生まれ)
略年表
クロード・モネ Claude Mone(1840-1926)
1840年 パリに生まれる
1845年 一家でル・アーヴルに移る
1858年 ウジェーヌ・ブーダンに出会い、戸外で風景画を描くようになる
1859年 パリに移る
1862年 パリのグレールのアトリエに入り、ルノワール、シスレー、
バジールらに出会う
1865年 サロンに初入選
1870年 カミーユ・ドンシューと結婚
ロンドンで画商デュラン=リュエルと知り合う
1871年 妻子とともにアルジャントゥイユに移る
1874年 ピサロ、ドガ、ルノワールらと、画家主催の展覧会をパリで開催。《印象、日の出》出品
(のちに第1回印象派展と呼ばれる展覧会、モネは以降1882 年まで計5回参加)
1878年 ヴェトゥイユに移る
1879年 妻カミーユ死去
1883年 パリ郊外のジヴェルニーに居を定める
1888年 「積みわら」の連作に着手。以降「ポプラ並木」「ルーアン大聖堂」など連作を発表
1892年 アリス・オシュデと再婚
1897年 「睡蓮」の連作に本格的に取り組む
1909年 デュラン=リュエル画廊で「睡蓮」の連作48点による個展開催
1912年 白内障との診断を受ける
1914年 《睡蓮》大装飾画に着手
1918年 《睡蓮》大装飾画の国家寄贈をクレマンソー首相に提案
1926年 ジヴェルニーで死去
1927年 オランジュリー美術館の《睡蓮》大装飾画が一般公開される

章構成

I 美しい絵画へ ―立ちあがる色彩と筆触

印象派がめざしたもの。それは光あふれる世界をそっくり画面に再現する、究極の写実主義でした。しかし、そのために生み出された絵の具を並置する「筆触分割」は、逆に絵画を現実から遠ざけていきます。色彩と筆触は次第に自立し、対象の再現ではなく、それ自身の魅力を解き放ち始めるのです。この章では、初期の作品から見られるモネの筆触と色彩への強いこだわりに着目し、それが現代の作家たちにどのように受け継がれていったのかを検証します。

クロード・モネ《ヴィレの風景》1883年 油彩、キャンヴァス 60.3×78.8cm 個人蔵 ©Christie’s Images / Bridgeman Images 【日本初公開】

クロード・モネ《ヴィレの風景》1883年 油彩、キャンヴァス 60.3×78.8cm 個人蔵
©Christie’s Images / Bridgeman Images 【日本初公開】

丸山直文《puddle in the woods 5》2010年 アクリル、綿布 227.3×181.8cm 作家蔵 ©Naofumi Maruyama, Courtesy of ShugoArts

丸山直文《puddle in the woods 5》2010年 アクリル、綿布 227.3×181.8cm 作家蔵 ©Naofumi Maruyama, Courtesy of ShugoArts

II 形なきものへの眼差し ―光、大気、水

モネが作品の中に描き出そうとしたのは、特定の物体よりもむしろ、光や水や大気など、物体を取り巻く「形なきもの」といえるでしょう。時間や天候の推移に従い、刻々とその相貌を変える自然。画家が描き出そうとしたのは、この形なきものたちの一瞬の姿でした。この章では、不定形なモティーフをめぐるモネの視覚的探究を軸に、移ろいや瞬間性の可視化、絵画固有の空間表現や光のイリュージョンの創出といった課題を共有する現代アートを紹介します。

クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年 油彩、キャンヴァス 60.6×81.1cm ポーラ美術館

クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年 油彩、キャンヴァス 60.6×81.1cm ポーラ美術館

クロード・モネ 《霧の中の太陽》 1904年 油彩、キャンヴァス 71.0×91.5cm 個人蔵

クロード・モネ 《霧の中の太陽》 1904年 油彩、キャンヴァス 71.0×91.5cm 個人蔵

ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング(CR845-8)》 1997年 油彩、アルディボンド板 100.0×90.0cm 金沢21世紀美術館 撮影:木奥惠三 © Gerhard Richter 2018(0005)

ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング(CR845-8)》 1997年 油彩、アルディボンド板 100.0×90.0cm 金沢21世紀美術館
撮影:木奥惠三 © Gerhard Richter 2018(0005)

III モネへのオマージュ ―さまざまな「引用」のかたち

モネの絵画は、数多くのアーティストに参照され、引用されてきました。とりわけ「睡蓮」は、モネを象徴するモティーフとして、後代の画家たちによって繰り返し描かれ,「モネへのオマージュ」と言うべき作品群を生み出しました。しかし、それは単なる「モティーフの引用」には留まらず、様々に変奏されたアプローチが試みられました。この章では、モネの絵画にインスピレーションを得た現代の作品群を紹介し、それぞれの創作におけるモネへの共鳴、モネからの継承を読み取ります。

福田美蘭《モネの睡蓮》2002年 アクリル、パネルに貼ったキャンヴァス、額縁(既製品) 86.3×116.5×8.3p 大原美術館

福田美蘭《モネの睡蓮》2002年 アクリル、パネルに貼ったキャンヴァス、額縁(既製品) 86.3×116.5×8.3p 大原美術館

堂本尚郎《連鎖反応―クロード・モネに捧げる》2003年 油彩、キャンヴァス 130.0×390.0cm 個人蔵

堂本尚郎《連鎖反応 ― クロード・モネに捧げる》2003年 油彩、キャンヴァス 130.0×390.0cm 個人蔵

IV フレームを越えて ―拡張するイメージと空間

モネ芸術の集大成ともいうべき、オランジュリーの《睡蓮》大装飾画。幾重にも塗り込まれたその絵画空間は、鑑賞者を瞑想的、神秘的な体験に誘いながら、イメージがフレームを超えてどこまでも広がっていくような感覚を作り出しています。この章では、「睡蓮」の連作を中心としたモネ後期の作品を起点として、反復の表現、異質なイメージの重ね合わせ、空間への拡がりといった、視覚的/身体的な拡張性をキーワードに、モネと現代アートとの接点を探ります。

クロード・モネ《睡蓮、水草の反映》1914-17年頃 油彩、キャンヴァス 130.0×200.0cm ナーマッド・コレクション(モナコ)

クロード・モネ《睡蓮、水草の反映》1914-17年頃 油彩、キャンヴァス 130.0×200.0cm ナーマッド・コレクション(モナコ)

クロード・モネ《柳》1897-98年頃 油彩・キャンヴァス 71.0×89.5p 個人蔵(国立西洋美術館に寄託)

クロード・モネ《柳》1897-98年頃 油彩、キャンヴァス 71.0×89.5p 個人蔵(国立西洋美術館に寄託)

松本陽子《振動する風景的画面》2017年 油彩、キャンヴァス、200.0×250.0cm 個人蔵(C)Yoko Matsumoto

松本陽子《振動する風景的画面》2017年 油彩、キャンヴァス 200.0×250.0cm 個人蔵
©Yoko Matsumoto

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