クロード・モネ≪睡蓮≫(部分)1906年、油彩・カンヴァス、吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)

記事

展覧会を見て <5>20世紀美術の巨匠

2018年6月13日 中日新聞朝刊

 「印象派の巨匠モネ」という言葉にとらわれすぎてはいけない。印象派の最盛期は1870年代だが、有名な「睡蓮(すいれん)」大壁画連作は、1926年に86歳で没する画家の最晩年の10年間に描かれている。その意味でモネは、20世紀美術の巨匠でもあるのだ。

 水面に映る空や柳の映像に、実体である睡蓮や、水底に揺らめく水草の影が、混然一体と融合された画面は、画家が挑み続けた絵画の極限であった。

 モネの探求の意味と可能性は、後世の作家たちの作品に照らせば、より一層明瞭となる。展覧会は、それを見て取る格好の機会と言えるだろう。

 (南雄介・愛知県美術館長)

 =終わり

記事一覧

ページのトップへ