クロード・モネ≪睡蓮≫(部分)1906年、油彩・カンヴァス、吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)

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<5>睡蓮、水草の反映 理想追い求める強い意志

2018年5月23日 中日新聞朝刊
1914〜17年 油彩・キャンバス、ナーマッド・コレクション(モナコ)蔵

1914〜17年 油彩・キャンバス、ナーマッド・コレクション(モナコ)蔵

 ジベルニーのモネの庭で庭師の手伝いをしたことがある。庭の光景は刻々と変化するが、この作品は池に風が吹いた一瞬を切り取ったかのようだ。

 画面には水草、スイレン、水面の3つの要素がある。空と水草の影を映した水面が画面に空間を生み、いけばなにおける「余白の美」に通じる東洋的な雰囲気さえ感じる。

 本作は、かの有名な睡蓮(すいれん)の大装飾画に取り組み始めたころのもの。当時、モネは視力が衰え、妻と息子を相次いで亡くしていたことを思うと、画面から受ける穏やかな印象と裏腹に、理想を追求しようとするモネの強い意志を感じる。

 (假屋崎省吾=華道家)

 =終わり

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