クロード・モネ≪睡蓮≫(部分)1906年、油彩・カンヴァス、吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)

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<1>睡蓮 自然から得た独自の宇宙

2018年5月17日 中日新聞朝刊
1906年、油彩・キャンバス、吉野石膏株式会社蔵(山形美術館に寄託)

1906年、油彩・キャンバス、吉野石膏株式会社蔵(山形美術館に寄託)

 空と雲が映り込んだ水面に咲く三輪のワインレッドの花が、ヨガで人間のエネルギーの中枢を指す「チャクラ」を感じさせる。

 創作は瞑想(めいそう)のようなもの。私は、感じたままをその場で描き切るようにしている。3年前の秋、私淑するモネの自宅の庭で油彩を制作した際は、紅葉の色に、夏には咲いていただろうスイレンのおもかげが重なり、一気に仕上げた。

 モネは自然から得た独自の宇宙に、名前を付け具体的な形を与えて、万人に分かるようにした。そしてそれが百人百様の抽象的な美意識に、いまなお訴える力があることに魅了される。(片岡鶴太郎=俳優、画家)

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