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オリンピックニュース

フィギュア男子:羽生、ショートプログラムで首位

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ほぼ完璧な演技でSP首位に立った羽生結弦=ソチで

 男子ショートプログラム(SP)が行われ、初出場の羽生結弦(ゆづる、ANA)が4回転ジャンプを決めるなどほぼ完璧な演技で、国際大会のSPでは史上初の100点超えとなる101.45点で自身が持っていた99.84点の世界歴代最高得点を塗り替え、トップに立った。

 前回バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔(関大大学院)は冒頭の4回転ジャンプに失敗して86.40点の4位につけた。町田樹(たつき、関大)は3回転ルッツが2回転となり、83.48点で11位。

 2位は世界選手権3連覇のパトリック・チャン(カナダ)で97.52点、3位はハビエル・フェルナンデス(スペイン)で86.98点。個人種目で4大会連続のメダルを目指したエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)は故障を理由に演技直前で棄権し、そのまま現役引退を表明した。

得意のSP 力感で圧倒

 固く握り締めた両こぶしが震える。口からも歓喜がほとばしった。「よーっしゃ」。羽生がたたき出した、国際スケート連盟(ISU)の公認大会では史上初めてとなる3桁の大台。「五輪という素晴らしい舞台で100点を超える演技ができたことは本当にうれしい」。最も大事な試合で見せた最高の演技。会場の大歓声に、自分も拍手で応えた。

 エレキギターで感情をたたきつけるような「パリの散歩道」。激しい旋律を、荒々しくも正確な滑りでなぞった。最初の4回転トーループを軽々と決める。「団体戦と比べものにならないくらい」という緊張を滑りには出さない。時に笑みを浮かべながら、完璧に近い内容で滑りきった。

 昨季から持ち越し、圧倒的な評価を受けてきた得意のSP。振り付けた2008年世界選手権金メダリストのジェフリー・バトルはオフにプログラムを手直しする際、すでに当時の世界歴代最高点を2度更新していた演技に注文を付けた。

 「曲を、会場を、もっと支配してほしい。結弦の新しい姿が出せるはず」。端正に滑りこなすことは1年目にできた。新たに求めたのは客席を圧倒するような力強さ。見た目の印象とは裏腹に「あんなに強気に出られる後輩はいない」と町田を感嘆させる19歳。存在感のある演技も1シーズンで身に付け、桁違いの強さを見せた。

 対抗意識を持ち続けてきた3年連続世界王者のチャンに3.93点差をつけた。力があり、勢いがある。「今日は今日で終わって、明日は明日でできることをしたい」。口にしなくともわかっている。するべきことができれば、日本勢初となる男子の金メダルに手が届く。

 (海老名徳馬)