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眼鏡橋に近づく電車。橋をくぐると終点の三国港駅に着く=福井県坂井市で

 えちぜん鉄道三国芦原線の終点、三国港駅(福井県坂井市)。電車は到着直前、れんが造りの「眼鏡橋」をくぐる。

 国の登録有形文化財。官営の三国線として鉄道が敷かれた1913(大正2)年にできた。橋の上からは駅前の魚市場も見える。越前ガニの水揚げで有名だ。

 橋の上は生活道路だが、かつては港町の目抜き通りだった。江戸時代は北前船の寄港地で、米蔵や遊郭が並んだ。鉄道建設時に眼鏡橋を架けたのも、通りの分断を避けるため。橋から見下ろす駅では、船で着いた石炭が貨車に積まれた。

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 海運は廃れたが、昭和30年代には漁師の妻たちが早朝、橋の上に並んだ。港を眺め、夫の帰りを待つ光景で、地元の郷土史家木村昌弘さん(69)が覚えている。妻は魚を受け取り、箱に詰めて一番電車に乗り、内陸へ売りに行った。

 港の変遷を見続けた橋。なぜ、アーチが一つなのに「眼鏡」なのか不思議な気もするが、木村さんは「船乗りが使う単眼の遠眼鏡が由来ではないか」と唱える。港町らしい説ではある。

 文 ・梶山 佑
 写真・田中久雄

 えちぜん鉄道 勝山永平寺線(福井−勝山)が27.8キロで23駅、三国芦原線(福井口−三国港)が25.2キロで22駅。両線とも福井発着のダイヤが基本。第三セクター鉄道で、2003(平成15)年に京福電鉄から運行を引き継いだ。勝山永平寺線は大正期に、三国芦原線は昭和初期にそれぞれ、前身となる鉄道が一部区間で運行を始めた。三国芦原線の三国−三国港間は、大正期までに北陸線の金津(現・芦原温泉)と三国港間に国が敷設した三国線(のちに廃止)の一部だった。

田園、港町、山里と変化に富むえちぜん鉄道(動画)

 

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