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水田地帯を走る電車。収穫が近づいた稲穂が夕日に輝いていた=福井県あわら市のえちぜん鉄道番田−あわら湯のまち間で

 黄金に輝く稲穂が揺れる福井平野を、列車が進む。福井県あわら市のえちぜん鉄道三国芦原線番田駅近く。沿線の田んぼの稲の大半はコシヒカリという。

 新潟県の魚沼産が知られるコシヒカリだが、誕生の地は福井県である。

 国策だったコメの品種改良。1944(昭和19)年に新潟で交配された種子が、48年に福井の試験場に託された。試行錯誤の末、52年には栽培可能な品種に。新潟側が、新潟や福井を含む日本海側の「越(こし)の国」にちなんだ「コシヒカリ」と名付け、福井側が新品種として申請した。

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 美味だが倒れやすかった当時のコシヒカリ。新潟県は56年、農家への奨励品種とし、栽培に挑んだ。福井県が奨励品種に指定したのは、その16年後。ブランド力に差がついた。

 でも、誇りはある。番田駅近くの稲作農家青山善昭さん(68)が言う。「新潟のは食べたことがないが、他県でコシヒカリを食ってもうまいと思わんな。ウチのが一番」。かむと甘みが出るのが自慢。今年も間もなく、収穫が始まる。

 文 ・梶山 佑
 写真・田中久雄

 えちぜん鉄道 勝山永平寺線(福井−勝山)が27.8キロで23駅、三国芦原線(福井口−三国港)が25.2キロで22駅。両線とも福井発着のダイヤが基本。第三セクター鉄道で、2003(平成15)年に京福電鉄から運行を引き継いだ。勝山永平寺線は大正期に、三国芦原線は昭和初期にそれぞれ、前身となる鉄道が一部区間で運行を始めた。三国芦原線の三国−三国港間は、大正期までに北陸線の金津(現・芦原温泉)と三国港間に国が敷設した三国線(のちに廃止)の一部だった。

田園、港町、山里と変化に富むえちぜん鉄道(動画)

 

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