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夕やみを走るアルピコ交通上高地線の電車。遠くに、北アルプスの山並みの輪郭が浮かぶ=長野県松本市で

 夏の日の早朝、長野県松本市の松本駅ホーム。アルピコ交通上高地線の新島々行き電車が動きだした。

 北アルプスの登山客が多く利用する路線。車内で会った神戸市の村里幸雄さん(69)は、焼岳(2、455メートル)を目指すという。松本まで夜行バスで来た。新島々で登山口に向かうバスに乗り換える。北アルプスには過去、10回挑んだ。

 「車で来たこともあるけど、上高地線の方がいいね。景色をのんびり楽しめるから」

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 宗教的な修行ではなく、趣味としての登山が日本で広まったのは明治時代。英国人宣教師のウォルター・ウェストンが北アルプスなどに挑み、登山の面白さを伝えたことが契機となった。上高地線の前身の鉄道が大正期に生まれた目的の一つは、登山客の輸送。昭和40年代の登山ブームのころは特に混雑した。

 村里さんの乗った電車が、終点に近づいた。「いよいよ山に登るのだと、ワクワクしますね」。ガタン、ゴトンとレールを刻む音が、胸の高鳴りに重なった。

 文 ・水田百合子
 写真・浅井慶

 アルピコ交通上高地線 松本と新島々を結ぶ14.4キロで14駅。全区間が長野県松本市内にある。1921(大正10)年、筑摩鉄道島々線として開通。社名は筑摩電気鉄道、松本電気鉄道を経て2011(平成23)年にアルピコ交通。路線名は、松本電気鉄道時代の1955(昭和30)年に上高地線になった。アルピコは英語のALPINE CORPORATIONSに由来し「アルプスの麓の企業群」という意味。グループ企業はホテルなどを経営。

北アルプスの麓を走るアルピコ交通上高地線(動画)

 

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