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喫茶として使われている旧・三河広瀬駅舎。かつての改札口の奥で、女性たちが団子や五平餅を焼く=愛知県豊田市で

 高齢の女性客4人がコーヒーを飲みながら、おしゃべりに興じている。

 愛知県豊田市東広瀬町の旧・三河広瀬駅舎。市が管理する昭和初期の木造建築で、近所の主婦6人が週末の午前に喫茶を開く。

 山あいの約90戸の集落の一角に、旧駅舎は立つ。名鉄三河線のうち、猿投から三河広瀬を経て西中金に至る8.6キロは2004年に廃止された。

 喫茶のメンバーの新地英子さん(62)が高校生のころは、三河広瀬駅も通勤通学客で混雑した。「私も映画に行く時に乗ったわ」。同世代の多くは社会に出ると豊田中心部や名古屋へ移り、鉄道利用客も減った。

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 廃止後、旧駅舎は有志が手入れ。07年に国の登録文化財になった。09年ごろ、集落で唯一の喫茶が閉店。「住民の居場所を」と旧駅舎に喫茶が生まれた。

 30ほどの席はすぐに埋まる。調理場からは焼き団子のしょうゆの香り。オートバイでツーリング中の若者も寄る。電車は来なくても、「駅」は人の集う場所であり続ける。

 文 ・安福晋一郎
 写真・鵜飼一徳

 名鉄三河線 碧南(愛知県碧南市)と猿投(同県豊田市)を結ぶ39.8キロで23駅。知立を境に猿投方面を「山線」、碧南方面を「海線」と呼ぶ通称もある。1914(大正3)年開通の三河鉄道が前身。2004年に吉良吉田−碧南間、猿投−西中金間が廃止された。豊田市−梅坪間では、名古屋市営地下鉄鶴舞線直通の名鉄豊田線の電車も運行されている。

田園、工場、住宅街と、車窓が多彩に変化する名鉄三河線(動画)

 

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