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明知鉄道極楽駅で列車を待つ人たち。ホームには、住民有志が贈った地蔵が置かれている=岐阜県恵那市岩村町飯羽間で

 「間もなく極楽、極楽でございます」

 案内放送が流れ、列車は止まった。岐阜県恵那市の明知鉄道極楽駅。周囲に家が数軒ある無人駅である。

 2008年の開業。そばにはスーパーもあり、買い物客の列車利用を増やそうと駅が設けられた。

 名前は公募で決まった。「極楽」は元国鉄職員で沿線に住む西尾功さん(93)が提案した。室町時代ごろまで近くに極楽寺があったことに由来。北海道にかつてあった幸福駅のように注目されるかも、という計算もあった。

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 狙い通り、恵那などの有人駅で「極楽行き」の切符が時に売れる。極楽駅を訪れた団体客は昨年度、約5300人に上る。

 周辺で「ここは極楽ですか」と聞いて歩いた。「ええ。いい所です」とみな声をそろえる。その一人の主婦田中英代さん(86)に、最近うれしかったことをたずねたら、こんな答えだった。「母の日に、東京に住む息子二人から贈り物が届きました。お花とシャツ」

 駅名に偽りはないように思えた。

 文 ・吉岡雅幸
 写真・田中久雄

 明知鉄道 恵那(岐阜県恵那市)−明智(同市)間の第三セクター鉄道で、前身は旧国鉄の明知線。全長25.1キロで11駅。1933(昭和8)年、大井(現恵那)−阿木間で開通し、翌34年に全線開通した。国鉄時代を経て、85年に三セク化された。

岐阜県東濃地方を走る明知鉄道(動画)

 

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