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苗が植えられて間もない水田のそばを走る列車=岐阜県恵那市の明知鉄道・野志−山岡間で

 岐阜県中津川市の明知鉄道阿木駅の近く。西尾優さん(85)、八千代さん(80)夫妻の線路沿いの田んぼに今年も、苗が植えられた。

 高齢の優さんの体力が落ち、作業は昨年に続き地元の農業法人が請け負ったが、あぜ道の草刈りは今年も八千代さんがした。

 ゆるやかな斜面に広がる水田。30年前、ほ場整備で急斜面を削るまでは何段もの棚田だった。八千代さんは「苗をかつぎ、斜面を歩くのが大変でね」と振り返る。

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 明知鉄道は全線25.1キロで、峠を二つも越える。山肌には古くから田んぼが並び、優さんが8代目の西尾家も江戸時代から米を作っている。

 近年は後継者不足で周囲に放棄地が増えた。八千代さんは少なくとも、会社勤めの50代の長男が定年後に継ぐまで、草刈りを続ける。「先祖さんの田んぼを終わらせるわけにいかん」

 八千代さんは時々、通院のために明知鉄道に乗る。車窓から自分たちの田んぼを眺めるたび、手入れされた姿を誇らしく思う。

 文 ・吉岡雅幸
 写真・田中久雄

 明知鉄道 恵那(岐阜県恵那市)−明智(同市)間の第三セクター鉄道で、前身は旧国鉄の明知線。全長25.1キロで11駅。1933(昭和8)年、大井(現恵那)−阿木間で開通し、翌34年に全線開通した。国鉄時代を経て、85年に三セク化された。

岐阜県東濃地方を走る明知鉄道(動画)

 

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