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天竜川橋梁を渡る列車。朝日に輝く川面にシルエットが浮かび上がった=静岡県浜松市天竜区で

 静岡県浜松市天竜区二俣町の天竜川橋梁(きょうりょう)を、天竜浜名湖鉄道の列車が渡る。天竜川も鉄道もかつて、流域のスギやヒノキを運んだ。

 信州や遠州の木は古くから、筏(いかだ)にして天竜川を流され、太平洋岸に運ばれた。二俣の田代家は江戸時代、筏輸送で財をなす。1940(昭和15)年、天竜浜名湖鉄道の前身二俣線が開通すると、上流から川で運ばれた材木は二俣で列車に積み替えられた。町に材木問屋や製材工場が増えた。

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 天竜区船明(ふなぎら)の老川登喜夫さん(76)も18歳で問屋に勤めた。川岸の集積場で材木を担ぎ、50メートルほど歩いて貨車に積んだ。「競って一度に4本担ぎ、肩の皮がむけたこともあるよ」

 上流にダムができ、トラックも普及して筏は70年代に姿を消した。材木は安い輸入材に押され、やがて貨車輸送もなくなった。

 老川さんは材木の仕事を離れて久しいが、足腰の鍛錬のため毎朝5キロ、川沿いを歩く。幼少のころ、潜って遊んだ思い出もある川。眺めながら歩くと、気持ちがいい。

 文 ・島 将之
 写真・布藤哲矢

 天竜浜名湖鉄道 掛川(静岡県掛川市)−新所原(同県湖西市)間の第三セクター鉄道。全長67.7キロで39駅。前身の二俣線が1940年に全線開通した。戦後は国鉄が運営。赤字で廃止対象になったが、県や沿線自治体が存続を求め、87年に三セク化された。

静岡県西部を走るローカル線、天竜浜名湖鉄道(動画)

 

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