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三川茶の畑の脇を走る天竜浜名湖鉄道の列車=静岡県袋井市で

 天竜浜名湖鉄道の列車の窓に、茶畑が広がった。

 静岡県袋井市北部で栽培される「三川(みつかわ)茶」。今年も一番茶の摘み取りが始まった。温暖だった春。「霜もおりず、上質なお茶が育ちました」と、生産農家の石川喜雄さん(34)は喜ぶ。

 三川茶の栽培が始まったのは1970年代。石川さんは三代目にあたる。「祖父や父の姿を見て、自然と継ごうと思った」と語るが、経営は楽ではない。

 急須で茶をいれる家庭が減り、高価な茶はかつてほど売れない。需要が高いのは、ペットボトル用の安い茶。収入は減り、三川茶の農家はかつての三分の一の10軒になった。

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 それでも、石川さんがこだわるのは味。父隆夫さん(60)と一緒に自家製乳酸菌を畑にまく。茶葉のアミノ酸を増やし、うま味をだす。客から「おいしい」と言われると、うれしい。

 黄緑色の新芽が映えるこの時期、石川さんらの畑そばにはカメラを持った鉄道ファンが目立つ。ファインダーをのぞき、1両編成の列車が近づくのを待つ。

 文 ・島 将之
 写真・布藤哲矢

 天竜浜名湖鉄道 掛川(静岡県掛川市)−新所原(同県湖西市)間の第三セクター鉄道。全長67.7キロで39駅。前身の二俣線が1940年に全線開通した。戦後は国鉄が運営。赤字で廃止対象になったが、県や沿線自治体が存続を求め、87年に三セク化された。

静岡県西部を走るローカル線、天竜浜名湖鉄道(動画)

 

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