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トンネルを抜け、琵琶湖疏水を進む観光船=滋賀県大津市で

 琵琶湖と京都を結ぶ運河、琵琶湖疏水(そすい)の観光船が、三井寺駅(滋賀県大津市)近くの船着き場を離れた。早歩き程度の速さ。7.8キロ先の京都・蹴上(けあげ)まで55分かける。トンネルに入ると、空気がひんやりした。

 観光船は3月に誕生。疏水の船の本格運航は67年ぶりになる。大津の市民団体が1985年から、復活を訴えてきた。自治体や企業などでつくる団体が、週末を中心に運航する。

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 疏水は1890(明治23)年完成。幕末の騒乱と遷都で人口が減った京都の活性化が狙いで、京都市が巨費を投じた。大正のピーク時、客船と貨物船は合わせて1日100隻を超えた。

 衰えた要因は車の普及と鉄道網の発達。後に京阪京津線となる鉄道も、速さを武器に船の客を奪った。

 船の復活に、市民団体代表の鈴木靖将さん(74)は「新幹線だリニアだと速さが重視される時代だからこそ、遅さが貴重なんです」と語る。住んでいる人たちがのんびりと進む船を眺め、「いい街だな」と誇りに思ってくれることを願う。

 文 ・鈴木啓紀
 写真・横田信哉

 京阪京津(けいしん)・石山坂本線 両線を合わせて京阪大津線とも呼ばれる。京津線は、御陵(京都市)とびわ湖浜大津(大津市)を結ぶ7.5キロで全7駅。御陵で京都市営地下鉄東西線に乗り入れている。1912(大正元)年開通の京津電気軌道が前身。石山坂本線は、石坂線の略称で親しまれる。大津市内の石山寺と坂本比叡山口を結ぶ14.1キロで全21駅。1913(大正2)年開通の大津電車軌道が前身。

琵琶湖近くを走る京阪の京津線と石山坂本線(動画)

 

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