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逢坂山の斜面にホームがある京阪京津線大谷駅。線路に沿って国道1号が走る=滋賀県大津市で

 びわ湖浜大津駅(滋賀県大津市)を出発した京阪京津(けいしん)線の電車が、坂を上り始めた。

 京都市境の手前の逢坂山越え。大谷駅近くは全国の鉄道でも屈指の急勾配で、カーブでは「キーッ」と車輪がきしむ。

 音を和らげるため、付近の数カ所のカーブに散水装置を整備。断続的にレールに水をまく。勾配がきつい別の所では雨や雪が降ると、滑り止めの砂をまくことがある。京阪大津営業部の技術課長深尾雅章さん(46)は愛情を込め「京津線は手のかかる子ども」と言う。

 旧東海道も現在の京津線沿い。逢坂山は古くからの難所だ。江戸時代、荷を積む牛車がぬかるみで立ち往生しないよう石を敷いた。

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 大谷駅近くのうなぎ店「かねよ」は、江戸期にあった茶屋と縁がある。逢坂山を越え、伊勢のうなぎを京に運んでいた常連の行商が、茶屋の看板娘と結ばれ、かねよを開いた。

 5代目店主の吉田恵一さん(72)は「旧東海道を歩く観光客も立ち寄ってくれます」。難所に挑む人の胃袋を、老舗の丼が満たす。

 文 ・鈴木啓紀
 写真・横田信哉

 京阪京津(けいしん)・石山坂本線 両線を合わせて京阪大津線とも呼ばれる。京津線は、御陵(京都市)とびわ湖浜大津(大津市)を結ぶ7.5キロで全7駅。御陵で京都市営地下鉄東西線に乗り入れている。1912(大正元)年開通の京津電気軌道が前身。石山坂本線は、石坂線の略称で親しまれる。大津市内の石山寺と坂本比叡山口を結ぶ14.1キロで全21駅。1913(大正2)年開通の大津電車軌道が前身。

琵琶湖近くを走る京阪の京津線と石山坂本線(動画)

 

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