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琵琶湖沿いに、大津の市街地を走る電車=京阪石山坂本線のびわ湖浜大津−島ノ関間で

 滋賀県大津市の京阪石山坂本(いしやまさかもと)線・島ノ関駅近くの踏切。

 通過した電車の向こうに琵琶湖が見える。線路から岸まで約150メートル。この距離は戦後間もなくのころまではもっと短く、線路ぎわまで湖だった。駅そばに住む清水久雄さん(83)が振り返る。「家の前が琵琶湖。子どものころは潜って貝を採った。水は、今よりも透き通っていたよ」

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 大規模な湖の埋め立ては1949(昭和24)年度に始まった。石山坂本線に沿うように湖岸道路を造り、さらに沿道を区画ごとに順次、埋め立てた。ホテル、百貨店、マンションなどが完成。市歴史博物館学芸員の木津勝さん(48)は「旧市街に土地の余裕はなく、戦後の人口増に対応するため、必要な開発でした」と言う。事業は1998(平成10)年度まで続いた。

 島ノ関駅から琵琶湖に向かって歩くと、公園に着いた。湖岸沿いに遊歩道が整備され、観光客らしい人の姿が見える。春風に波立つ湖面を眺めていたら、遠くから「カン、カン、カン」と踏切の音が聞こえてきた。

 文 ・鈴木啓紀
 写真・横田信哉

 京阪京津(けいしん)・石山坂本線 両線を合わせて京阪大津線とも呼ばれる。京津線は、御陵(京都市)とびわ湖浜大津(大津市)を結ぶ7.5キロで全7駅。御陵で京都市営地下鉄東西線に乗り入れている。1912(大正元)年開通の京津電気軌道が前身。石山坂本線は、石坂線の略称で親しまれる。大津市内の石山寺と坂本比叡山口を結ぶ14.1キロで全21駅。1913(大正2)年開通の大津電車軌道が前身。

琵琶湖近くを走る京阪の京津線と石山坂本線(動画)

 

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