トップ > 出発進行 > <5>霊峰の里 芸能つなぐ

ここから本文

<5>霊峰の里 芸能つなぐ<< 出発進行TOPへ

写真

根尾川沿いを走る列車。遠くに能郷白山(中央奥)を望む=岐阜県本巣市の樽見鉄道樽見−水鳥間で

 樽見鉄道の車窓から見える能郷白山(1、617メートル)は今年、開山1300年。信仰の拠点、能郷白山神社(岐阜県本巣市根尾能郷)では今年も4月13日、地域住民が「能郷の能狂言」を奉納する。遅くとも室町時代には始まったという国の重要文化財である。

 根尾能郷出身で、岐阜高校3年の住井章吾さん(17)は最年少演者。能を担当する。小学1年時からほぼ毎年、父の明久さん(54)と一緒に出る。高校入学後は実家を出て岐阜市で暮らすが、今年も3月以降、地元での練習に加わる。「ドンドンドンと足踏みするダイナミックな動きが好きです」

写真

 長く、16戸が世襲で演じてきたが、地域は過疎が進んだ。後継者不足で、章吾さんら他家の人も出るようになった。地域の演者14人の大半は50代以上。みな「章吾君は頼もしい」と声をそろえる。

 進学希望で、県外に出るかもしれない。でも、出演は続けたいという。「中途半端にしたくないから」。霊峰に抱かれた故郷でいつか、自分の子どもと一緒に演じたいと願う。

 文 ・秋田佐和子
 写真・川柳 晶寛

 樽見鉄道 大垣(岐阜県大垣市)−樽見(同県本巣市)間の第三セクター鉄道。全長34.5キロで19駅。大垣、本巣両駅のみ毎日、駅員が勤務する。旧国鉄時代の1956(昭和31)年に大垣−谷汲口間が開通。58年に美濃神海(現・神海)まで延伸した。84年に三セク化し、89年(平成元)年、樽見まで開通した。

岐阜県大垣市から本巣市根尾までを走る樽見鉄道(動画)

 

この記事を印刷する

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索