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住友大阪セメント岐阜工場(左奥)に延びていた貨物線の廃線跡。中央は本巣駅長の道合さん=岐阜県本巣市で

 岐阜県本巣市の樽見鉄道本巣駅構内には、使われなくなった線路が残る。かつて走った貨物列車用。貨車は、駅近くの住友大阪セメント岐阜工場のセメントを載せ、樽見鉄道を走った。

 2006年3月の最後の貨物列車の運転士は今の本巣駅長、道合智さん(47)。「自分が運転できてうれしかったが、やはり寂しかった」と振り返る。「貨物も旅客列車も運転できるから」と、故郷の岩手の高校卒業後、就職したという。

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 貨物列車廃止は、トラックへの切り替えが理由。全国の第三セクター鉄道でも珍しく黒字経営だった会社は、主たる収入源を失って赤字に転落した。沿線自治体の援助で何とか、鉄路は維持されている。

 社員31人は往時の半分。道合さんは本巣駅の駅長業務のほか、車両清掃や他の駅の草刈りもこなす。

 後進の運転士育成にも熱心。資格試験を受ける新入社員のために練習問題を自作し、車両の構造などを教える。「運転士は樽見鉄道の顔ですから」とやりがいを感じている。

 文 ・秋田佐和子
 写真・川柳 晶寛

 樽見鉄道 大垣(岐阜県大垣市)−樽見(同県本巣市)間の第三セクター鉄道。全長34.5キロで19駅。大垣、本巣両駅のみ毎日、駅員が勤務する。旧国鉄時代の1956(昭和31)年に大垣−谷汲口間が開通。58年に美濃神海(現・神海)まで延伸した。84年に三セク化し、89年(平成元)年、樽見まで開通した。

岐阜県大垣市から本巣市根尾までを走る樽見鉄道(動画)

 

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