トップ > 出発進行 > <3>戦後の曲折 渡した橋

ここから本文

<3>戦後の曲折 渡した橋<< 出発進行TOPへ

写真

早朝、揖斐川橋梁を走る樽見鉄道の列車=岐阜県大垣市で

 列車が揖斐川橋梁(きょうりょう)を渡る。長さ345.5メートル。樽見鉄道建設の曲折を物語る橋である。

 鉄道の前身は1956(昭和31)年開通の国鉄樽見線。35年に着工したが、戦争で中断した。資材不足で、架けた橋は撤去された。戦後に工事が再開された際、富士山麓の御殿場線から、不用になった橋を移設したと伝わる。

 工事再開には、岐阜県の大物代議士が尽力した。後に、新幹線岐阜羽島駅を誘致したとして名をはせる故・大野伴睦氏である。

写真

 樽見線開通翌日の中部日本新聞(中日新聞の前身)は「夢のようだ 伴睦氏 感無量」との記事を掲載した。戦前の橋が「陸軍の手で樺太(今のロシア・サハリン)へ持ち去られた」と嘆き、戦後しばらくは、工事再開を占領軍の司令部が許さなかった歴史も語る。

 樽見鉄道は2年に1回、揖斐川橋梁を歩いて点検する。歳月を重ねたが、技術部の森川崇さん(44)は「丈夫です」と語る。ただ、緑色の橋にはさびが目立ってきたため5年前、同じ色を塗り重ねた。

 文 ・秋田佐和子
 写真・川柳 晶寛

 樽見鉄道 大垣(岐阜県大垣市)−樽見(同県本巣市)間の第三セクター鉄道。全長34.5キロで19駅。大垣、本巣両駅のみ毎日、駅員が勤務する。旧国鉄時代の1956(昭和31)年に大垣−谷汲口間が開通。58年に美濃神海(現・神海)まで延伸した。84年に三セク化し、89年(平成元)年、樽見まで開通した。

岐阜県大垣市から本巣市根尾までを走る樽見鉄道(動画)

 

この記事を印刷する

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索