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満開を迎えた淡墨桜=1日、岐阜県本巣市で

 岐阜県本巣市の旧根尾村地区の淡墨桜(うすずみざくら)が花を咲かせた。樹齢1500年といわれる国の天然記念物で、樽見鉄道樽見駅から徒歩約15分。列車は花見客で混む。

 3年前まで、市の依頼で桜の面倒をみた樹木医浅野明浩さん(77)=同市=の言葉を借りれば、淡墨桜は「人の関心」によって、生き永らえた。

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 何度も枯れかけた。1967年にその姿を見て、知事に保全を訴える手紙を書いた作家の故・宇野千代さんら、危機のたびにだれかが動いた。旧根尾村が樹木医に木をみてもらう制度をつくり、浅野さんが任されたのは95年。数日おきに木をみて、栄養が足りないと思えば肥料をやり「元気になれよ」と声をかける。その知見を毎春、花見客に語った。「人の関心がなくなれば、おしまい」の老木なのだ。

 仕事を若い樹木医に譲ってからは、淡墨桜から車で約15分の同市佐原で長男浩さん(45)が営む喫茶「みはら」を手伝う。樽見鉄道に並行する国道157号沿い。淡墨桜を見にきた客と分かるとうれしくてつい、話しかけてしまう。

 文 ・秋田佐和子
 写真・川柳 晶寛

 樽見鉄道 大垣(岐阜県大垣市)−樽見(同県本巣市)間の第三セクター鉄道。全長34.5キロで19駅。大垣、本巣両駅のみ毎日、駅員が勤務する。旧国鉄時代の1956(昭和31)年に大垣−谷汲口間が開通。58年に美濃神海(現・神海)まで延伸した。84年に三セク化し、89年(平成元)年、樽見まで開通した。

岐阜県大垣市から本巣市根尾までを走る樽見鉄道(動画)

 

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