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ソメイヨシノが見ごろを迎えた日当駅に、ゆっくりと近づく車両=31日朝、岐阜県本巣市で

 「桜が咲くと、ええよ」

 日当駅のソメイヨシノの美しさを教えてくれたのは、近所の主婦国井輝子さん(70)である。

 ボランティアで掃除などをする「市民駅長」。地域の力を借りようと樽見鉄道が3年前、日当を含む17の無人駅で選んだ。ただ、国井さんは15年前から、頼まれてもいないのに掃除をしていた。「ゴミとか雑草とか気になる性分で」

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 山あいの駅で、周辺は16世帯のみ。利用者は多くないが、草刈りや落ち葉集めなどに忙しく、作業は数日おきという。励みは、待合室に約1年前からあるノート。旅行者が置いていったらしく、コメントが並ぶ。「緑豊かな駅にリフレッシュできました」「落ち着く場所。次は桜の季節に」−。国井さんは「これ見ると、きれいにしんといかんと思う」と話す。

 列車が根尾川の鉄橋を渡り、駅に近づいてきた。運転士が国井さんの姿に気付いた。あいさつのような「フォーン」という汽笛が、春の山里に響いた。

 文 ・秋田佐和子
 写真・川柳 晶寛

 樽見鉄道 大垣(岐阜県大垣市)−樽見(同県本巣市)間の第三セクター鉄道。全長34.5キロで19駅。大垣、本巣両駅のみ毎日、駅員が勤務する。旧国鉄時代の1956(昭和31)年に大垣−谷汲口間が開通。58年に美濃神海(現・神海)まで延伸した。84年に三セク化し、89年(平成元)年、樽見まで開通した。

岐阜県大垣市から本巣市根尾までを走る樽見鉄道(動画)

 

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