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卒業式を終え、ホームで語らう高校3年生=愛知県一宮市の萩原駅で

 愛知県一宮市の名鉄尾西線萩原駅から徒歩約10分のうなぎ店「うを六」。店主の樋口勝彦さん(73)は萩原中学校時代の友人、上田君との別れを覚えている。

 中学卒業から約1年たった日の朝、新一宮(現名鉄一宮)駅のホーム。父の鮮魚店で働く樋口さんは名古屋で魚を仕入れ、萩原に戻る電車を待っていた。萩原から名古屋の高校に通う上田君と偶然会い、告げられた。「東京で歌の勉強をする。しばらく会えなくなる」

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 線路沿いの上田君の家では一緒によくレコードを聞いたが、歌の道に進むのか−。友はやがて舟木一夫と名乗って「高校三年生」を歌い、紅白歌合戦に出た。

 駅での別れから半世紀超。樋口さんの店は狭い間借りだったが、30歳の時、父と一緒に今の2階建ての店を開いた。有名になった上田君は3回、来てくれた。

 樋口さんは約10年前、中学時代の仲間らと合唱愛好会をつくった。練習は月1回。「高校三年生」も時に歌う。その歌詞じゃないが、離れ離れになっても仲間のつもりでいる。

 文 ・清水裕介
 写真・浅井 慶

名鉄尾西線  弥富から名鉄一宮を経て玉ノ井に至る。30.9キロで全22駅。全線を直通運転する列車はない。1898(明治31)年に弥富−津島(津島市)間で開業した尾西鉄道が前身。徐々に延伸し、1918(大正7)年には、玉ノ井の先の木曽川港まで開通した。25(大正14)年に名鉄が吸収合併。51(昭和26)年から、現在の弥富−玉ノ井間で運行している。

繊維産業が盛んな尾州を走る名鉄尾西線(動画)

 

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