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弥富駅のホームに並んだJRの電車(右)と名鉄尾西線の電車=愛知県弥富市で

 愛知県弥富市の弥富駅のホームに立った。JR関西線と名鉄尾西線の列車が向かいあって止まっている。

 駅は、木曽川下流域の海抜ゼロメートル地帯にある。「地上で日本一低い駅」とされ、何十年も前から、その旨を記した案内板がホームにあったが、一昨年にペンキで白く塗られた。東日本大震災を経た昨今、あまりPRすべきでないと考え直したのだろうか。管理するJR東海は「日本一の根拠が明確でないと考えた」と説明するのみである。

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 1959(昭和34)年9月の伊勢湾台風で一帯は浸水し、多くの人が亡くなった。今も駅近くに住む水谷吉宏さん(70)は当時小学生で、いかだ代わりの雨戸に乗って避難した。尾西線津島−弥富間の復旧は11月末で、名鉄の中で最も遅かった。その後の高度成長期も、工場の地下水利用で地盤沈下は続いた。

 ホームから跨線橋(こせんきょう)を渡り、改札を出た。右手の駅舎の壁に金属板(縦7センチ、横18センチ)を見つけた。腰ほどの高さ。「伊勢湾台風最高水位」と書いてあった。

 文 ・清水裕介
 写真・浅井 慶

名鉄尾西線  弥富から名鉄一宮を経て玉ノ井に至る。30.9キロで全22駅。全線を直通運転する列車はない。1898(明治31)年に弥富−津島(津島市)間で開業した尾西鉄道が前身。徐々に延伸し、1918(大正7)年には、玉ノ井の先の木曽川港まで開通した。25(大正14)年に名鉄が吸収合併。51(昭和26)年から、現在の弥富−玉ノ井間で運行している。

繊維産業が盛んな尾州を走る名鉄尾西線(動画)

 

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