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常磐線の不通区間、浪江−富岡間を走る代行バス=福島県浪江町で

 福島県の太平洋岸「浜通り」。浪江駅を出た常磐線の代行バス富岡駅行きは、帰還困難区域に入った。

 乗降は不可。東京電力福島第一原発で2011年に起きた事故の影響で、放射線量が高い。車掌代わりの添乗員が乗客10人余に「窓は開けないで」と呼び掛けた。運転手吉成照幸さん(47)は「人がおらず、不気味。慣れません」と語る。

 常磐線の不通区間は、浪江−富岡間20.8キロ。バスは1日5往復程度、並行する国道6号を走る。運行はJRから委託された「浜通り交通」。吉成さんも社員だ。

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 国道と福島第一原発の距離は最短約1キロ。車窓に遠く、原発で動くクレーン上部が見える。国道をイノシシも闊歩(かっぽ)。沿道の民家は屋根瓦が落ちたままだ。

 吉成さんは「変化もある」と言う。常磐線は16年以降も区間ごとに順次復旧し、バス頼みの区間は縮小。そのバスには復興事業関係者に加え、学生などの旅行者も乗るようになった。

 常磐線全線開通は20年春ごろ。その日まで吉成さんも、任された仕事と向き合う。

 文 ・池内 琢
 写真・今泉慶太

JR常磐線 日暮里(東京都荒川区)と岩沼(宮城県岩沼市)を結ぶ343.1キロで、1898(明治31)年に全線開通。2011年3月の東日本大震災では福島、宮城両県内などの各地で不通になった。事故があった東京電力福島第一原発に近い広野(福島県広野町)−原ノ町(同県南相馬市)間では14年以降、区間ごとに順次、運転を再開したが、現在も富岡(同県富岡町)−浪江(同県浪江町)間が不通。2020年3月までの運転再開を目指す。

復興に向けて歩む人々の姿を追う 福島、宮城両県の常磐線(動画)

 

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