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山元いちご農園のビニールハウス。イチゴ狩りに訪れた子どもがはしゃいでいた=宮城県山元町で

 宮城県山元町の「山元いちご農園」。宮城ブランドのイチゴ「もういっこ」などが実る。ビニールハウスの横は常磐線の高架。縁あって隣り合わせになったのは、2011年春の東日本大震災後のことだ。

 山元いちご農園は11年6月に誕生した。社長の岩佐隆さん(62)は震災前、約1.5キロ離れた海沿いでイチゴ園を営んでいたが、津波で流された。「ここで負けたら、だめだよな」。同様に被害にあった海沿いの他の2軒と一緒に内陸の土地を借り、再起を図った。

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 やはり津波にのまれた常磐線も、内陸に線路を敷き高架に。町の表玄関の山下駅は約1キロ移り、16年12月に列車が走り始めた。

 山元いちご農園は広さ3・2ヘクタールで、東北最大規模だ。震災1年後には観光イチゴ狩りを始めた。山下駅から徒歩約15分。休日には列車で、家族連れなどが来てくれる。

 岩佐さんは、もっと甘いイチゴを育てたいと思っている。「お客さんが『おいしいねえ』って食べてくれると、うれしいから」

 文 ・池内 琢
 写真・今泉慶太

JR常磐線 日暮里(東京都荒川区)と岩沼(宮城県岩沼市)を結ぶ343.1キロで、1898(明治31)年に全線開通。2011年3月の東日本大震災では福島、宮城両県内などの各地で不通になった。事故があった東京電力福島第一原発に近い広野(福島県広野町)−原ノ町(同県南相馬市)間では14年以降、区間ごとに順次、運転を再開したが、現在も富岡(同県富岡町)−浪江(同県浪江町)間が不通。2020年3月までの運転再開を目指す。

復興に向けて歩む人々の姿を追う 福島、宮城両県の常磐線(動画)

 

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