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近鉄賢島駅に並ぶ特急。一番手前が観光特急「しまかぜ」で、他はいずれも「伊勢志摩ライナー」=三重県志摩市で

2015年6月5日、三重県志摩市の賢島駅近くの松井真珠店の3代目店主松井耀司さん(70)は自宅の仏壇で手を合わせた。翌年のサミット(主要国首脳会議)の賢島開催決定を祖父の故・永次郎さんに伝えた。「志摩が注目されています」

鳥羽と賢島を結ぶ近鉄志摩線の前身、志摩電気鉄道は永次郎さんら沿線住民2400人余が株主となり、戦前の1929(昭和4)年に開通した。それまで鉄道は鳥羽止まり。「志摩が取り残される」と永次郎さんらは列車で観光客を呼ぼうとした。開通に合わせ、松井真珠店も開業した。

後にサミット会場となる志摩観光ホテルは、終戦から約6年たった51年春に誕生。65年に鉄道は近鉄経営となり、70年には名古屋、京都、大阪からの直通列車が賢島に乗り入れた。最近は観光特急「しまかぜ」が人気だ。

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松井真珠店は今、4代目の良友(りょうすけ)さん(41)が営む。何回も賢島に来るうち、固定客になる人が多い。志摩を好きになって再訪してほしいから、買っても買わなくても、客にはこう声をかけ、送り出す。

「よい旅を」

 文 ・大島康介
 写真・榎戸直紀

近鉄山田線・鳥羽線・志摩線 山田線は伊勢中川−宇治山田間、鳥羽線は宇治山田−鳥羽間、志摩線は鳥羽−賢島間。計33駅で66キロ。山田線の前身は1930(昭和5)年に部分開通した参宮急行電鉄、志摩線の前身は29年開通の志摩電気鉄道。鳥羽線は70年に全線開通した。

観光資源の豊富な沿線 近鉄山田・鳥羽・志摩線(動画)

 

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