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【大相撲】

豪栄道か日馬富士か 1差千秋楽直接対決

2017年9月24日 紙面から

渡し込みで貴ノ岩(右)を破り、3敗をキープした豪栄道=両国国技館で(中村太一撮影)

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◇秋場所<14日目>

(23日・両国国技館)

 大関豪栄道(31)=境川=は平幕貴ノ岩を渡し込み、連敗を2で止めて11勝3敗とし、単独トップを守った。横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜=は関脇御嶽海を寄り切ってただ一人4敗を維持した。優勝争いは、豪栄道と日馬富士の2人に絞られ、24日の千秋楽で直接対決するが、日馬富士が勝てば決定戦に持ち込まれる。豪栄道は6場所ぶり2度目、日馬富士は7場所ぶり9度目の制覇を狙う。新入幕朝乃山(高砂)は阿武咲に押し出されて5敗目を喫した。

 豪栄道はずるずると負けを引きずるような男ではない。12日目からの2連敗で「ダメなところが全部出たと思って思い切りやるだけ」。そう開き直って土俵に上がる。相手は春場所で敗れている貴ノ岩。2度の待った、それも、豪栄道がいい体勢に持ち込みながら、待ったがかかった。

 「集中して」。動揺することなく3度目の立ち合い。「必死でした」と連敗していたときの守りの姿勢は消えうせ、一瞬引きかけた時もすぐに思い直した。

 貴ノ岩に左から引っ張り込まれ、落ちそうになりながらも左腕で足をつかんで渡し込み。「落とせないという気持ちになると人間、弱い」。弱い自分との自問自答が、執念となって表れた。

 千秋楽は日馬富士との一騎打ち。この一番は、史上初となる5横綱への挑戦権をかけた大一番となる。本割、もしくは決定戦のどちらかで勝てば優勝が決まる。有利なのは豪栄道。ただ、綱とりに挑むためには本割での勝利が必要となる。

 11勝での優勝は過去最低で、2例しかない。二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は「12勝3敗で優勝したら次につながる。11勝4敗なら決定戦に勝ってもどうかな。そんな感じだ」と条件をつけた。

 「(大一番に臨めるのは)幸せなこと。とりあえず一番に集中していきます。最後に勝った方が強い(力士だ)から」。連敗の呪縛から解かれた豪栄道は、吹っ切れたようにそう話した。(岸本隆)

     ◇

 負けが許されない一番。日馬富士が今年に入って2勝2敗の御嶽海に、立ち合いからもろ差しを許した。館内のざわめきをよそに、慌てず騒がず「落ち着いてさばきました」。がっちり両まわしを取り、足首のテーピングが痛々しい両足で力強く踏み込み、きっちり寄り切って10勝目をもぎ取った。

 直前で単独トップの11勝目を挙げ、王手をかけた豪栄道に横綱相撲を見せつけ、ピタリと追走。自力優勝の可能性を残して迎える千秋楽、9度目の賜杯を目指す逆転の舞台は整った。

 場所前、慢性的な痛みを抱える左肘を手術する選択肢も浮上したが、復帰に1年かかることから断念。満身創痍(そうい)で土俵に上がり続け、横綱の勝ち越しと位置付ける2桁勝利まで何とかたどり着いた。

日馬富士(右)が寄り切りで御嶽海を下す(神代雅夫撮影)

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 八角理事長(元横綱北勝海)も「責任は果たした」とたたえたが、一人横綱の最大の見せ場となる運命の一番がまだ残っている。「しっかり務めて終わりたい」と気合をみなぎらせて「務めるということは、土俵に上がるということです」とニヤリ。勝って当然の最高位として本割、優勝決定戦で豪栄道に2連勝するイメージはできている。

 4横綱時代に突入した春場所以降、4人の中で最年長ながらただ一人皆勤。99年ぶりに3横綱と2大関が休場した秋の嵐を静める役割は、賜杯を抱く日馬富士がふさわしい。(志村拓)

 

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