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【スポーツ】

[テニス]大坂なおみ、日本勢初のグランドスラム制覇 悲願頂点で涙

2018年9月10日 紙面から

全米オープンテニスの女子シングルスを初制覇し、顔を隠すようなしぐさを見せる大坂なおみ=8日、ニューヨークで(ゲッティ=共同)

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◇全米オープン女子シングルス

 【ニューヨーク共同】女子テニスの大坂なおみ(20)=日清食品=が8日、当地で行われた全米オープンのシングルス決勝で元世界ランキング1位のセリーナ・ウィリアムズ(36)=米国=を6−2、6−4で破り、日本のテニス史上初めて四大大会のシングルス制覇を果たした。アジア勢の全米優勝も初で、優勝賞金380万ドル(約4億2180万円)を獲得。四大大会の日本勢ではこれまで、男子は錦織圭(28)=日清食品=の2014年全米準優勝が最高だった。女子は1973年の全豪オープンで沢松和子が、94年の全豪オープン、95年の全仏オープン、96年のウィンブルドン選手権で伊達公子が4強入りを果たしていた。 

 好調だったサーブで最後はS・ウィリアムズのラケットをはじき、ついに四大大会で日本勢初の頂点に立った。大坂が自分のプレーに徹し、夢見た決勝の舞台で憧れのスター選手に打ち勝った。ネット付近で抱き合うと涙があふれ「いろんな感情がこみ上げてきた」と喜びに浸った。

 圧倒的なアウェーの雰囲気で始まった大一番。大坂は落ちついていた。「セリーナはスロースターター。出だしは積極的にいく。走らないといけない覚悟はできていた」と動いて返球を続け、出産後で体力に不安を抱える相手の打ち急ぐミスを誘った。

 第1セットで最初にブレークした直後の第4ゲーム。「いいリターンが来るのでサーブが一番大事だと思っていた」と、第1サーブに時速30キロもの差をつけて相手の体勢を崩した。セットポイントでは188キロのサーブを体の正面に打ち込んでよろけさせ、広角、緩急を使い分けて的を絞らせなかった。

 第2セットではいらだつS・ウィリアムズが暴言などで警告を3度も受け、4−3で迎えた第8ゲームをプレーせずにものにした。場内からブーイングも起きたが「どんな状況でもカムバックしてくるから、自分のことに集中していた」と反撃の機会を与えなかった。

 日本勢の四大大会挑戦は、1916年に熊谷一弥らが前身の全米選手権に初出場してから1世紀以上。4年前には初めて決勝に進んだ錦織圭が涙をのんだ。新たな歴史をつくった日本のエースはまだ20歳。「一歩ずつ進んでいきたい」と話し、高々と優勝杯を掲げた。 (共同)

◆「こんな終わり方で…」謙虚な言葉でブーイングを拍手に

 試合終盤にS・ウィリアムズが審判への執拗(しつよう)な抗議でゲームペナルティーを取られるなど、異様な雰囲気で進んだ決勝。大坂が初優勝を決めた後の表彰式でも、約2万3000人で満員のセンターコートは、ジャッジなどに不満を持つ観客がブーイングを続け険悪な空気。大坂はあまりの事態にぼうしのひさしを左手で下げ、うつむいたまま泣きだすありさまで、隣にいたウィリアムズも思わず大坂の肩を抱いて慰めた。

 先にマイクを向けられたウィリアムズは「皆さんが応援してくれた大会です。最高の大会にしましょう。ブーイングはもうやめて」とスタンドに呼びかけた。続いて大坂がインタビュアーの質問に「ちょっと質問に対してではないことを話します」と断りつつ「みんな彼女(セリーナ)を応援していたことを知っています。こんな終わり方ですみません。でも試合を見てくれてありがとうございます」と声を絞り出した。セリーナには「(あなたと)全米の決勝でプレーすることが夢だった。プレーしてくれてありがとう」と頭を下げた。この謙虚な優勝者インタビューで会場の空気は一変。それまでブーイングを続けていた観衆も心を動かされ、優勝トロフィーを受け取る大坂に向かって大きな拍手を送り始めた。

 

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