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【首都スポ】

陸女タレント宇佐美菜穂のスペシャル対談 小池祐貴200に懸ける

2018年11月1日 紙面から

笑顔で走りを楽しむ小池祐貴(左)と、陸女タレントの宇佐美菜穂=横浜市の慶大日吉キャンパスで(北田美和子撮影)

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 慶大競走部OGでタレントの宇佐美菜穂(30)が陸上のスターを直撃する首都スポスペシャル対談。今回はジャカルタ・アジア大会男子200メートル金メダルの小池祐貴(23)=ANA=にインタビュー。慶大、そして宇佐美がタレント転身前に客室乗務員を務めていたANAの後輩でもある小池の素顔、2020年東京五輪への思いなどを先輩ならではのトークで引き出す。 (構成=川村庸介)

 宇佐美「陸上を高校で始めた時、最初から短距離だった?」

 小池「単純に足が速いのが格好いいなというところから始まったので、あまり種目にこだわりはなかったです。入った時に短距離の先輩が多くて『この人たちは格好いい、この人たちに勝てるようになりたい』という感じで、とりあえず、この部活で1番になりたかったです」

 宇佐美「すぐに学年でトップになったけど、そういうビジョンがあった?」

 小池「いや、全然。目の前のことだけでした。1本も誰にも負けなければ、結果的に自分が1番速くなれるという単純な考えで、脳みそが筋肉状態だったとしか言いようがなかったです」

 宇佐美「実はインターネットで『小池祐貴』と入れると『筋肉』って出てくるの、知ってる?」

 小池「友達に言われて冗談だろうと思ったら(笑)」

 宇佐美「出てくるでしょ(笑)。すごい筋肉だけど、もとから筋肉質?」

 小池「(野球をやっていた)中学の時にとにかく体重がないと打球が飛ばないというのを知って、バカみたいに筋トレをして、1年で10何キロぐらい増やして。体が資本という考えは今でも変わらないです」

 宇佐美「そこから慶応に来て、私はもっと行けると勝手に思いながら見ていたけど、4年間を振り返ってみてどう?」

 小池「どうすれば速くなるのか、勉強はたくさんしていて科学的や統計的に理解はしていたけど、本当なのかなと思いながらやっていました」

 宇佐美「同年代の桐生祥秀君とは比較されていたと思うけど」

 小池「比較されるようなレベルじゃないでしょ、というのが正直なところです。ただ年齢が一緒なだけで、比較できるレベルに自分がいないので」

 宇佐美「冷静だね」

 小池「そうですね…。割り切らないとやっていけないのが正直なところだったので」

 宇佐美「今、誰かをライバルだと思うことは」

 小池「特定の人はいないですね。アジア大会は欠場しちゃったけど、中国の謝震業を今年は唯一特定の選手として見ていた感じです」

 宇佐美「そのアジア大会が一番聞きたいことだけど、ゴールした瞬間はどうだった?」

 小池「ドキドキというよりは純粋に『え、どっちが勝ったのかな』と思いながらだったので、緊張とかはなかったです(注・2位とは同タイム、着差ありの決着)」

 宇佐美「どの瞬間が一番良かった?」

 小池「会場が僕の名前をコールしてくれた時ですね。あれは初めての経験だったので、達成感というか、報われたなという感じがすごくあって、やっぱりそれなりに頑張ってきたので、やっと結果を出せたかなという感じで、率直にうれしかったですね」

 宇佐美「優勝を狙っていた試合だった?」

 小池「謝選手が欠場したので、ランキングトップだから勝たないとウソでしょという感覚でした。自分の力を出せば金メダルは取れるんだから、その中身をしっかり考えようと」

 宇佐美「1600メートルリレーは?」

 小池「そっちはスピードに乗り切れなくて完全に失敗レースでした」

 宇佐美「1600メートルリレーと言えば私の中では大学1年の時のがすごく印象に残っていて。山県(亮太)も走って優勝したけど、『小池も出るんだ』って」

 小池「ちゃんと走ったのはあれ以来です」

 宇佐美「体が突っ込んでゴールしたのが200の金メダルとすごくリンクした」

 小池「あれは隣がしっかり最後まで走りきっていたら負けていたので、勝ったのはメンタルが強かったからです。世界レベルでは通用しないです」

 宇佐美「メンタルが強いという自負はある?」

 小池「そうですね。基本的な接地のバランスは最後まで崩れていなかったので。隣は距離が足りないのにフィニッシュに行ってタイムを損していたけど、そこは自分の方が冷静に最後まで走りきることを分かっていたと思います」

 宇佐美「2019年はこんな挑戦ができそうというのは?」

 小池「シーズン序盤からスピードを出しても大丈夫だというのが分かったので、4月のアジア選手権(ドーハ)から狙っていこうかなと思っています。あとはダイヤモンドリーグとか海外の試合を転戦すること一通りこなせたので、グローバルスタンダードなスケジュールを組んでみようと思っています」

 宇佐美「私としては100も200ももっと上にと思っているけど、小池祐貴は何の選手?」

 小池「200ですね」

 宇佐美「200での目標は」

 小池「まずは世界大会のファイナルでしっかり戦える選手になりたいです。何年の世界陸上の決勝に上がったという実績ではなく、世界大会の決勝には毎回残りますよという選手に」

 宇佐美「19年の世界選手権から期待していい?」

 小池「今の実力でも準決勝には上がれるので、準決勝で自己ベストが出せるかどうかが挑戦になります。そこで決勝に残れるのであれば、(東京五輪の)2020年の目標も変わってきますし、落ちちゃうなら、まずは決勝に上がるためにどうするかという考え方に変わるので、来年は結構キーになりますね」

 宇佐美「2020年は?」

 小池「自国開催で会場の声援を一身に受けられるのは楽しみですし、僕も会場の雰囲気でパフォーマンスが上下する選手なので、良い走りは絶対にできるという感じですけど、2年後の話なので、しっかりした目標は来年次第ですね」

 宇佐美「タイムは?」

 小池「20秒1台、0台は来年出しておかないと決勝は難しいと思うので、条件の良い時にそれぐらいは出るといいなと思っています」

 宇佐美「山県先輩のメダルを間近で見たリレーは?」

 小池「与えられた走順、レーンの準備をすればどこでも走れるので、調子の良いメンバー4人の中に自分がいたら皆さんには得意な所に入ってもらって自分は空いた所に行く感じ。それが自分のリレーの役割だと思っています」

 宇佐美「最後に、ANAに入って仕事は?」

 小池「入社前のイメージ通り気持ち良い会話ができる人が多いので、気分的に沈んだりすることなく過ごせています(笑)。最近は取材関連が仕事だけど、トップ選手はこういうことをずっとやってきたんだという感覚がわかりました」

<宇佐美菜穂(うさみ・なほ)> 1988(昭和63)年6月27日生まれ、浜松市出身の30歳。166センチ、49キロ。舞夢プロ所属。慶大競走部では七種競技で関東学生対校選手権7位、日本学生対校選手権11位。卒業後、ANA客室乗務員から2013年にタレント転身。WOWOWドラマ「沈まぬ太陽」などに出演。フルマラソンのベストは3時間35分3秒。

<小池祐貴(こいけ・ゆうき)> 1995(平成7)年5月13日生まれ、北海道小樽市出身の23歳。173センチ、74キロ。北海道・立命館慶祥高で陸上を始め、高3では全国高校総体100メートル、200メートル2位。2014年に慶大に進学し、同年世界ジュニア200メートル4位、17年日本学生対校選手権200メートル優勝。今春ANAに入社。日本選手権200メートル2位。アジア大会は20秒23(日本歴代7位)で金メダル。

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