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【プロ野球】

V9戦士の黒江氏が宮崎キャンプを徹底チェック

2019年2月11日 紙面から

 2月1日にスタートした春季キャンプは、早くも折り返しに近づいている。本紙評論家の黒江透修氏も恒例の宮崎キャンプ視察。セ・リーグで4連覇を目指す広島、パ・リーグで昨季覇者の西武、そして原監督の復帰で捲土(けんど)重来を期す巨人の状態などをチェックした。

◆広島 今季もV最右翼

 3連覇中の広島は、今年もペナントフラッグの最短距離にいる。活気に満ちた練習の雰囲気や、その密度を見て、「やはり強い」ということを再確認した。何より、勝ち方を覚えた選手たちには自信がみなぎっているように感じた。

 基本技術がしっかりしている内野陣。ほとんどの選手はノックを受ける動きに無駄がなく、実戦を強く意識している。良いプレーには観客席から拍手が起こり、ミスがあれば選手やコーチから厳しい言葉が飛ぶ。強いチームに共通するキャンプの雰囲気だ。

 戦力面での不安は、ほとんどない。確かに、FAで抜けた丸の代わりを務めることができる選手はいない。ただ、昨年も存在感を示した野間は、足もあるし、打撃でも成長が見られる。人的補償の長野も新天地で生き返るのではないか。まだ老け込む年齢ではないし、相手や体調を見ながら上手に起用していけば、戦力になるはずだ。

 投手陣も高いレベルにあり、優勝候補の最右翼であることは疑いようがない。悪くても2位は外さないだろう。少なくとも、今年もセ・リーグは広島中心のペナントレースになる。

 それでも気になる点を探すなら、「丸の穴」よりも「新井の穴」をどうするのか、というところになるだろう。昨年も広島の関係者からは「支えているのは新井です」という言葉を聞いた。チームリーダーが引退し、誰が役割を継ぐのか。

 それを移籍1年目の長野に求めるのは酷というものだろう。菊池か、田中広か、それともベテランの石原か。ただ、これは重箱の隅をつつくようなものでもある。チーム全体を見れば、やはり優勝候補の最右翼にいる。

◆西武 強力打線は健在

 昨季は圧倒的な攻撃力で優勝した西武から大駒が一枚抜けた。FAで楽天に移籍した浅村は、指摘するまでもなく打線の要の一人だった。現実問題として、この穴を埋めることは難しい。

 二塁というポジションで見れば、候補はいる。たとえば、内外野を守ることのできる外崎だ。打撃にも成長が見られるし、キャンプでも二塁の守備に重点的に取り組んでいた。ただ、外崎が二塁に入るだけでは問題点は解決しないのが頭の痛いところ。今度は、外野に外崎の穴が生じることになるからだ。

 秋山、金子侑に続く存在の熊代、木村には申し訳ないが、やはり力は落ちる。ベテランの栗山に依存しすぎるわけにもいかない。その点は首脳陣も心配していて、外崎は基本的に外野での起用を考えているようだ。

 代わりに二塁で期待されているのはドラフト3位の山野辺。大学、社会人を経験しているだけあって、見ていても動きは良い。二塁の守備に関しては十分に使えるレベルにある。

 浅村が抜けても、山川や秋山、中村、源田らがいる強力打線には変わりない。課題は昨季同様、投手陣になるだろう。楽しみなのは人的補償で巨人から移籍した内海。セとは違い、パでは変化球を使った緩急が効く。阪神から移籍して2桁勝利を挙げた榎田が好例だ。

 実績も十分なベテランだけに、間違いなく先発ローテに入ってくる。さらに、ドラフト1位の松本航も力のあるボールを投げていて、モノになりそうな雰囲気があった。救援陣には不安も残るとはいえ、やはり総合力では上位。今季も優勝争いに加わってくるだろう。

◆巨人 優勝狙える戦力

原監督(左)が見守る中、練習を行う丸=宮崎で(梅津忠之撮影)

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 今季の巨人を予想する上で、注視したいポイントが二つある。一つは西武からFAで移籍した炭谷が加わった捕手陣。もう一つは、原監督の復帰とともに一新された首脳陣だ。

 正捕手には小林の奮起を期待している。原監督も炭谷で1年間を戦い抜くことまでは考えていないのではないか。小林を軸に据えながら、投手によっては炭谷を使い、捕手に再転向した阿部には「ここ一番」の重要な場面を託す。そんな起用法が現実的だろう。

 相対的に戦力を評価すると、今年の巨人野手陣で気になるのは捕手の争いぐらい。センターラインを固める丸の加入は心強い。内海、長野が人的補償で抜けたとはいえ、「プラス・マイナス」ではプラス。右翼には陽岱鋼が起用されるだろう。残る左翼はゲレーロと亀井がいる。

 内野に目を向ければ、遊撃の坂本勇と三塁の岡本は独り立ちした。二塁は吉川尚や田中俊らの若手が良い争いをする。新外国人のビヤヌエバは未知数だが、仮に不振に陥ったとしても、阿部や岡本を一塁に回すことで解決する。

 十分に優勝を狙えるだけの戦力だ。あえて不安点を挙げるなら、新体制でヘッドコーチが不在というところだろう。監督の仕事は多忙を極める。グラウンドでお客さまを“もてなす”のも大事な役割。監督の代わりに現場で常に目を光らせるのがヘッドコーチだ。

 時には監督に意見し、嫌われ役もいとわない。そんな参謀役が不在の中で、百戦錬磨の原監督がどう束ねていくのか。ここが、今年の巨人の最大のポイントになるのではないか。

 

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