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【ゴルフ】

重永、熊本に捧げる初V プロ11年目の栄冠

2018年4月16日 紙面から

東建ホームメイト・カップで優勝し、家族と記念写真に納まる重永亜斗夢(右)=東建多度CC名古屋で(浅井慶撮影)

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◇東建ホームメイト杯<最終日>

 ▽15日、三重県桑名市、東建多度CC・名古屋(7081ヤード、パー71)▽曇り、13・7度、北北西3・8メートル▽賞金総額1億3000万円、優勝賞金2600万円▽69選手▽観衆6416人

 単独首位でスタートした熊本市出身の重永亜斗夢(あとむ、29)=ホームテック=が2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの73で回り、通算12アンダーでプロ転向11年目でのツアー初優勝を飾った。国内ツアーの開幕戦を日本人選手が制するのは4年ぶり。4打差2位からの逆転優勝を狙った石川遼(26)=カシオ=は1つスコアを伸ばし、最終18番ホールまで観衆を沸かせ続けたが、1打及ばず2位だった。1打差の3位には韓国の金庚泰(キム・キョンテ)が入った。

 18番、触れるだけで入れられるウイニングパットの直前、重永は花粉症でこの季節のトレードマークとなっている白いマスクを外した。グリーンの横では、熊本から始発電車に乗って駆けつけた家族が見守っていた。

 「これで人生が変わるんだとしみじみ思って打った」。プロ転向11年目でのツアー初制覇。喜ぶ父親のもとに長女亜子ちゃん(5)、次女夢芽(ゆめ)ちゃん(2)が駆け寄ってきた。「グリーン上で子どもを抱くのが夢でした」。優勝インタビューでは満面の笑みが浮かんだ。

 自己評価は「超ネガティブ思考」という男は自宅でも二言目に「オレはゴルフに向いていない」とこぼすほどだ。おなかも弱い。この日の朝も会場に着くと、トイレに駆け込んだ。それでも、1番からバーディー発進。しかし、パー3の6番で1打目を池へ入れた。

 「やったなと思った。いい流れを自分で止めてしまった」。痛恨のダブルボギーで、石川と2打差となった。いつもだったらスコアと順位のことばかりが気になって、崩れていくパターン。この日は違った。

 「今日は取りあえず、遼にひっついていこうと思った」。後先を考えず目の前の一打に集中することができた。17番パー5の2打目。2日目はミスショットをしていたが、この日は会心のショットがピン横へ。「強い気持ちでイーグルパットを打った」。打球はカップをかすめたものの、返しを入れてバーディーを奪ってみせた。

 熊本地震が発生した2年前のこの大会も最終日を最終組で回った。最終日最終組は4度目。やっと手にした勝利の実感がまだ湧かない一方、「震災が風化していくこの時期に勝てたのはいろんな意味で僕の心に残る」と神妙な面持ちで語った。

 そんな重永、20分近い報道陣向けの会見が終わると、ひょうひょうとした29歳に戻っていた。いすから立ち上がると、「腰が痛い。優勝するとはこういうことか」。笑いながら、会見場を去っていった。 (末松茂永)

<重永亜斗夢(しげなが・あとむ)> 1988(昭和63)年9月14日生まれ、熊本県出身の29歳。172センチ、60キロ。9歳からゴルフを始め、中学時代に九州ジュニア制覇。沖学園高をへて日大に進んだが、1年で中退して2008年プロ転向。14年初シード。難病指定の潰瘍性大腸炎を抱えながら試合を続けている。亜斗夢の名は「アジアで1番になってほしい」との願いから。

 

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