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【芸能・社会】

市原悦子さん 葬儀・告別式 中尾彬「悦ちゃんは肉まんのような人」

2019年1月19日 紙面から

市原悦子さんの告別式で、祭壇の遺影に向かって弔辞を述べる恩地日出夫監督(代表撮影)

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 12日に心不全のため82歳で亡くなった女優市原悦子さんの葬儀・告別式が18日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれ、俳優の中尾彬(76)と女優池波志乃(63)夫妻ら約500人が参列した。

◆恩地日出夫監督が弔辞「長い間、ありがとう」

 市原さんの初主演映画「蕨野行(わらびのこう)」(2003年公開)でメガホンをとった恩地日出夫監督(85)が弔辞を読み上げ、「長い間付き合ってくれてありがとう」と、遺影に向かって何度も感謝を繰り返した。

 同監督が市原さんと初めて出会ったのは池部良と岸惠子主演で川端康成の名作を映画化した「雪国」(1957年公開)撮影の時だった。「悦ちゃんは太った芸者というワンシーンだけの出番で、衣装合わせで助監督が一生懸命太らせようと、着物の下にタオルを巻いたりいろんなことをしていた。原節子をはじめ美人女優ばっかりの東宝撮影所にいささか食傷気味だったので『あぁ、こういう人も女優さんでいるんだ』と思いました。後年その話をすると『どうせ私は不美人ですよ』と笑っていた。今となるとけっこう失礼なことを言いました」と懐かしみながら謝った。

 その後、市原さんの数々の出演作で仕事をともにしながら交流は約60年に及び、「新人役者を使いたいと思った時に、いつも相手役に市原さんがいてくれました」と感謝した。

 79年にテレビ朝日系で放送されたドラマ「戦後最大の誘拐 吉展ちゃん事件」で歌手の泉谷しげる(70)を犯人役に起用したが、「市原さんが相手役に決まってなかったら使う勇気がなかった」と明かした。

 午後1時過ぎの出棺時には市原さんのオリジナル曲「年老いた女役者の歌」が流れ、大勢のファンに見送られながら、天国へと旅立っていった。

葬儀・告別式に出席した中尾彬、池波志乃夫妻=東京都港区の青山葬儀所で(五十嵐文人撮影)

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 参列した中尾彬、池波志乃夫妻が、2ショットで囲み取材を行った。

 中尾は市原さんと同じ千葉県出身で、これまで何度も共演するなど50年以上の親交があった。池波は2時間ドラマなどで市原さんと共演した。

 市原とは恋人役、親子役も演じてきた中尾。市原さんの声まねをする池波を相手にせりふを覚えることもよくあったそうで、「私は気に入らない女優の方が多いんだけど、悦ちゃんは一番楽しい人でした。何も言わなくても分かってくれる」と共演時を振り返った。

 市原さんの人柄については、「あったかい肉まんのような人。ポカポカして色白でさ」。さらに「割ってみると肉まんかあんまんか分からない」と話した。

 池波は「明るいんだけど、はっきりしていて、ちょっと色っぽくて、みだらな感じをわざと出す。普段と変わらなくて、いつせりふに入ったか分からない、不思議なリアリティーがあった」と女優としての魅力を語った。

 中尾が最後に市原さんに会ったのは3、4年ほど前。元気な姿しか見たことがなかったそうで、「しばらく見なかったけど、患ってる姿とか考えたこともなかった」。お別れの言葉を聞かれると、「『ありがとうございます』ってお礼をしました」と話した。

◆南部虎弾 先生&名付け親

 過激なパフォーマンスで知られる電撃ネットワークの南部虎弾(67)は、市原さんとの意外な交流を明かした。

 南部によると、もともと市原さんが出演した映画に感銘を受けて役者の世界を志したという。「市原さんに(芸能界に)入れていただいた。先生ですね」と感謝した。

 芸能界入りの際、自身が好きだった人の名字「南部」と、好きな俳優「ジョン・トラボルタ」をもじった芸名にしたいと市原さんに相談。すると「『いいわよ、とらちゃん』と言っていただきました」と、名付け親であったことも明かした。

◆赤江珠緒 助言は私の宝物

 フリーアナウンサーの赤江珠緒(44)は、市原さんと朗読会で共演した際、さまざまなアドバイスを受けた思い出を振り返り「私の宝物です」と感謝した。赤江は市原さんの大ファンだそうで「すべての作品、すべての役柄に命を込められるすごい方。永遠に尊敬しています」。一番好きな作品には市原さんがナレーションを務めたテレビアニメ「まんが日本昔ばなし」(TBS系)を挙げ、「子供のころから慣れ親しんで、幸せな思い出をたくさん作っていただいた」と感謝した。

◆ベンガル ビビッてました

 市原さんと共演を重ねた俳優のベンガル(67)は「大女優なので、いつも怖いなというのはありました。いつもビビッてました」と振り返った。怒られたり何か言われたことはなかったが「優しく声を出されても、何かその奥に強いものが感じられた」という。

 舞台共演の際、14年に亡くなった夫で演出家の塩見哲さんと一緒にいた時の市原さんについて「旦那さんの言うことをすごく素直に聞いていらっしゃって、その姿もすごくかわいらしくて」と懐かしんだ。ここ10年以上市原さんとは会っていなかったそうで「いつか仕事をご一緒させていただけると楽しみにしていた。本当に残念です」としのんだ。

 【主な参列者】中尾彬、池波志乃、林遣都、赤江珠緒、ベンガル、相島一之、野村昭子、南部虎弾(順不同・敬称略)

市原さんのひつぎを乗せた車を見送る大勢のファン

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