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【芸能・社会】

高倉健さん「鯨と斗う男」再上映プロジェクト 捕鯨基地・宮城県鮎川の風景をもう一度

2018年9月3日 紙面から

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 捕鯨基地として全国に知られた宮城県鮎川の最盛期の様子を、映画館でもう一度見てみたい。東日本大震災で壊滅状態となった鮎川浜一帯や石巻市内でロケされた高倉健さんの主演映画「鯨と斗う男」(1957年、津田不二夫監督)を、再上映しようというプロジェクトが進行中だ。

 呼び掛けているのは、石巻生まれのノンフィクション作家で、震災後に地域誌「石巻学」を立ち上げた大島幹雄さん(65)=横浜市在住。同誌の取材の過程で映画の存在を知った。

 映画は、デビュー間もない高倉さんが捕鯨船の砲手にふんし、佐野周二さんと男の火花を散らす海洋活劇。衛星放送で放送されたことはあるが、DVD化されておらず、映画館で上映するためには、製作元の東映が保存するフィルムをDCP(デジタル・シネマ・パッケージ)に変換する必要がある。その制作費や諸経費など約150万円が必要という。

 「撮影された昭和30年代の鮎川の浜の様子や鯨の解体作業、石巻市内の旧北上川の船着き場や盛り場など津波で失われた風景がそのまま映画の中に残っている。これを地元の人たちや故郷を離れた人たちと、もう一度映画館で見る機会を作りたい」と大島さん。

 鮎川には、撮影を見学した人や協力した人が今も健在だ。劇中に「かもめ亭」として登場する「ダリア食堂」を経営していた遠藤宮子さん(94)は、「今でも夢に見るんですよ。高倉健、男ぶりは一番。佐野周二はうちの店の6畳間にひとり座って、お茶飲んだりうどん食べてたんだから。私、手握ってもらったんですよ。町の人も混じって全員で記念写真撮ったんだけど、みんな津波で流されてしまった。いだましかったねえ」と話している(「石巻学」3号)。

 震災で流失した石巻の老舗映画館「岡田劇場」の会長で、撮影当時学生だった菅原宏さん(81)は、津田監督のアテンドをするなど協力した。「監督にカメラテスト受けないかと言われましてね。おふくろに大反対されましたが、受けていたら人生変わったかもしれない、アハハハハ」と楽しそうに振り返った。そして、「映画っていうのは、映画館で見ないと雰囲気が出ない。協力は惜しみませんよ」。

 映画上映は来年7月31日、8月1日に行われる石巻の祭り「川開き」と8月上旬にある鮎川の「鯨まつり」に間に合わせるのが目標という。大島さんは、「いくらでもいいので、賛同する方はご協力いただきたい。5000円以上ご寄付いただいた方には、招待券を送ります」と話している。 (本庄雅之)

 ◆寄付先 名称「鯨と斗う男」上映プロジェクト、郵便振替口座名義「石巻学プロジェクト」、口座番号00250−0−88624 問い合わせは大島さん(電)090−2207−8185。詳細は、大島さんのホームページ「デラシネ通信」で。

 

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