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【芸能・社会】

よっ!高麗屋!三代同時襲名 昼夜満席 歌舞伎座130年の正月

2018年1月3日 紙面から

襲名披露口上であいさつする(右から)松本幸四郎改め二代目松本白鸚さん、市川染五郎改め十代目松本幸四郎さん、松本金太郎改め八代目市川染五郎さん=2日午後6時12分、東京都中央区の歌舞伎座で(毎日新聞代表撮影)

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 松本幸四郎改め二代目松本白鸚(75)、市川染五郎改め十代目松本幸四郎(44)、松本金太郎改め八代目市川染五郎(12)の襲名披露興行となる「寿初春大歌舞伎」が2日、東京・銀座の歌舞伎座で開幕。新年のにぎわいとともに、37年ぶりの三代同時襲名に昼夜とも満員の客席が華やいだ。

 夜の部に行われた「口上」では新白鸚、新幸四郎、新染五郎と共演俳優ら22人が袴姿でずらりと舞台上に並び、新白鸚は「高麗屋にとりまして親子孫そろっての襲名は37年ぶり。3人そろっての襲名が再び盛大に行われますこと、私はもとより、泉下の父(初代松本白鸚)もさぞ喜んでいることと存じます」とあいさつ。客席から「おめでとう」「高麗屋!」の声が飛んだ。続けて「これもひとえにご列座してくださった皆さんや、とりわけ(観客席の)皆さま方のごひいきのたまものと厚く、厚く御礼を申し上げまする」と感謝した。

 新幸四郎は「今年は歌舞伎座130年という節目の年に襲名興行ができる。私はまだ芸道未熟だが、自分の務めている歌舞伎が歌舞伎の力となることを信じまして、天に向かって舞台に立ち続ける所存にございます」と決意を示した。

 新染五郎は「祖父、父と共に染五郎を襲名し、勧進帳の義経という身に余る大役を務められますことはこの上ない喜びにございます。この後はなお一層芸道に精進します」と述べた。

 昼の部では最初に新幸四郎が「菅原伝授手習鑑 車引」で松王丸を熱演。開演約17分後に登場すると、ひときわ大きな拍手と共に「高麗屋!」の掛け声が飛び交った。中村勘九郎演じる梅王丸、中村七之助演じる桜丸と3兄弟で見得を切るシーンは、歌舞伎の様式美を象徴する名場面。祖父の初代白鸚や父の新白鸚も得意とした大役を力強く演じ、高麗屋の大名跡継承をアピールした。

 続く「寺子屋」では新白鸚が同じ松王丸として開演約20分後に登場。九代目幸四郎襲名の際にも演じた思い入れの深い役で、わが子を犠牲にする父親の苦悩や悲哀を円熟した演技で表現。観客の涙を誘った。

 夜の部では「勧進帳」で新幸四郎が弁慶、新染五郎が初役の源義経で共演。開演約8分後に登場した新染五郎は、義経のイメージと重なる美ぼうで会場を魅了。新幸四郎は最後の名場面で力強い飛び六方を披露した。

 公演は26日まで。2月の襲名披露興行も同所で。4月には新装開場する名古屋・御園座のこけら落としとして行われる。

◆「父がいるの?」幸四郎 実感なし

 新幸四郎は昼夜の大役の合間を縫って歌舞伎座ギャラリーで特別記念展「高麗屋のコリャイイや」開幕テープカットにも出席。汗をいっぱい浮かべながら「厳しいとか大変だなという思いばかり。松王丸でお披露目というのは、これ以上高いハードルはないという実感。まずは第一歩だと思う。皆さまに見ていただくのが私の生業(なりわい)。ここから目指すところへ向かって参ります」と、最初の演目を終えた直後の心境を吐露した。

 報道陣から「幸四郎さん」と呼ばれた感想を問われると、「えっ、父がいるの?という感じで、まだ自分という実感はございません」と苦笑い。

◆猿之助が復活!「このためにリハビリしたんじゃ」

 10月の舞台事故で左腕骨折の重傷を負った市川猿之助も「寺子屋」に涎くり与太郎で出演。途中花道で父親役の中村東蔵とコミカルなアドリブ芝居も披露して復活をアピールした。

 劇中で、東蔵に「けがはもう大丈夫か」と尋ねられると、猿之助は「三代襲名の舞台に出るために一生懸命リハビリしてきたんじゃ!」と叫んで、大きな拍手と歓声を浴びた。

 

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