トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【芸能・社会】

キムタクにカンヌ大興奮 主演映画「無限の住人」公式上映

2017年5月20日 紙面から

 【カンヌ(フランス)宮崎美紀子】第70回カンヌ国際映画祭で元SMAP木村拓哉(44)の主演映画「無限の住人」(三池崇史監督)が18日夜(日本時間19日未明)、公式上映された。剣豪が刺客を斬って斬って斬りまくる日本ならではのアクションに観客は大興奮。木村は「みなさんが、言葉じゃなく気持ちを表現してくれた。スクリーンと客席が一方通行じゃなかった」と観客の熱いリアクションに感謝した。

 午後8時をすぎても明るい南フランス。アウト・オブ・コンペティション部門に選出された「無限の住人」は、同10時半から、メイン会場最大(2300席)のリュミエール劇場で上映された。木村が「カンヌのゴールデンタイム」と呼ぶ、ようやく暗くなった街で食事を終えた人たちが映画を楽しむ時間帯だ。

 上映に先立つ午後10時すぎ、木村とヒロイン杉咲花(19)、三池監督がレッドカーペットに登場。タキシード姿の木村は初々しい笑顔を振りまく杉咲をエスコートし、2004年の「2046」(ウォン・カーウァイ監督)以来13年ぶりのレッドカーペットを踏みしめた。日本語の応援ボードや映画のパンフレットを掲げ、「拓哉〜」と叫ぶ日本やアジア系のファンもいた。

 映画は、不死身の剣豪・万次(木村)が、父のあだ討ちを決意した凜(杉咲)の用心棒になり、次々襲い来る刺客と戦う“ぶった斬り”アクションエンターテインメント。血が噴き出したり手足が飛ぶ凄惨(せいさん)なシーンも多いが、海外の観客はフィクションとして楽しんでいるようで、大立ち回りや、特殊な造形の剣やおのに大喜び。終盤、凜のピンチに万次が現れた時は「待ってました」とばかりの拍手と歓声だった。

 エンドロールの途中からスタンディングオベーションが始まり、木村は興奮を隠せない表情で拍手に応えた。「光」がコンペティション部門に参加する河瀬直美監督も劇場で鑑賞し、木村らと固い握手を交わした。

 上映後の取材で木村は「(客席の)男性はタキシード、女性はイブニングドレスですごくフォーマルなのに、映画の楽しみ方はカジュアル。まだ上映中なのに拍手、笑い、驚きを表現してくれる。今日の上映は一方通行じゃなかった。言葉じゃないんです。どの人を見ても、ぼくらに笑いかけてくれていて本当にうれしかった」と喜びと感謝を繰り返し口にした。

 国民的アイドルから1人の俳優になって再訪した映画の聖地。俳優人生で意味ある一歩になったが、本人はそういう関連付けを否定し俳優として13年前と変わらぬスタンスを強調。海外メディアのインタビューで「さみしくないのか」と聞かれたそうだが「自分の中で引きずっていたらきっと今日も歩けなかった」と強い目で前だけを見つめ「心の中では、またタキシードに袖を通せたらと思っています」と三たびのカンヌを心に期した。

◆杉咲花“用心棒”キムタクに感謝

 アジアンビューティーで、キュートなルックスで海外メディアをくぎ付けにした杉咲。海外の映画祭は初参加で「何が起こるのか全く想像がつかなくて、カンヌってこんな場所なんだ、海外のメディアってこういうふうに聞いてくださるんだと、いろいろ体験できてすごく幸せでした」と顔をほころばせた。

 昼のフォトコールではストレートの黒髪を一つに束ね、ふんわりした淡いピンクのドレスで登場。夜のレッドカーペットでは真っ赤な振り袖姿を披露。木村は「海外のフォトグラファーが花ちゃんの着物姿を撮りたくて『まだ行くな!』『ハナ、ハナ!』って。誘導係の人が怒っていた」と狂騒ぶりを解説。杉咲は「木村さんはレディーファーストで紳士的に接してくださいました。英語ができるのでたくさん通訳していただいた」と完ぺきな“用心棒”に感謝した。

◆三池監督「木村拓哉論」書きたい

 「一命」(2011年)などでカンヌに参加し、同地にファンも多い三池監督は「心地いい時間を過ごせて、監督としてこれ以上の幸せはない。こちらの人たちは自分たちの映画の見方を持っていて勇気づけられる」と反響を喜んだ。「日本で木村拓哉をおいて万次を演じられる人はいなかった」と木村に全幅の信頼を寄せる監督。昨年から騒動の渦中にいた木村をそっと見続けてきた。「スーパーアイドルとして君臨していた人が、世の中で今、一人で立っているって、すごいなと思う。今の木村拓哉に何が見えているのか、もし哲学者や心理学者だったら『木村拓哉論』を書きたい」と木村への敬意と興味を語った。

 ◆アウト・オブ・コンペティション部門 エンターテインメント性が高い作品が選ばれることが多く、過去には「マッドマックス 怒りのデス・ロード」や「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」など、メガヒットした娯楽大作が同部門で上映されている。日本映画の選出は極めて珍しい。最高賞「パルム・ドール」を競う「コンペティション部門」、それに次ぐ「ある視点部門」とは異なり賞の対象にはならない。なお今年は日本からはコンペ部門に河瀬監督の「光」、ある視点部門に黒沢清監督の「散歩する侵略者」が選出されている。

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ